FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易摩擦報道を嫌気した売り

NYダウは52.29ドル安の27094.79、ナスダックは5.49ポイント高の8182.88で取引を終了した。米中次官級貿易協議が今日からワシントンで開催されていることもあり、買いが先行した。上げ幅は一時120ドルを超えた。ただ、香港紙サウスチャイナモーニングポスト電子版が米高官の話として『トランプ米大統領は中国との貿易協定が迅速に合意されない場合、貿易摩擦を激化する用意がある。低水準の対中制裁関税を50%や100%に引き上げる可能性もある』と報じると、一転売りが優勢となり下げに転じた。VIX指数は13.95から14.05へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避でもドル底堅い展開

ドル/円は、日銀が金融政策の現状維持を決めたことで失望売りが強まり、アジア時間に一時107.79円まで下落した影響が残った。ただ、NYの取引時間帯に限れば108.00円を挟んだもみ合いの展開となった。NYダウが120ドル超上昇し、日経平均先物が170円上げると円売り・ドル買いが出て108.08円付近まで上げた。半面、中国香港で発行されているサウスチャイナモーニングポスト紙の報道で、米国株相場の失速とともに一時107.84円付近まで下押しした。もっとも、引けにかけては再び108円台を回復した。

 

ユーロ/ドルは、一時1.1073ドルと日通し高値を付けたあとはじりじりと上値を切り下げる展開になった。ユーロポンドの下落につれたユーロ売り・ドル買いが出て相場の重しとなった。ただ、先週から今週にかけて日米欧など主要国の金融政策イベントを通過したことで『材料出尽くし感』が広がっており大きな方向感は出なかった。 

 

NY原油先物市場は横ばい:米中貿易摩擦激化に対する警戒感

NY原油先物市場は58.01ドル‐59.54ドルのレンジ相場となった。昨日にトランプ米大統領がイランに対する新たな制裁措置を発表すると表明したことを受けて買いが先行した。ただ、イラクが『サウジアラビアは原油不足を補うためにイラクや他の産油国に購入を要請している』との報道を否定したこともあり、前日終値水準まで売り戻された。 また、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感は消えていないことも売り材料となった。

 

NY金先物市場は続落:米追加利下げ観測後退を嫌気

NY金先物市場は1496.30-1512.10ドルのレンジ相場となった。米追加利下げの可能性はやや後退したことから、時間外取引のアジア市場で1496.30ドルまで下げ幅は拡大した。しかし、通常取引開始後に1512.10ドルまで戻す場面があった。中東情勢の緊張状態は緩和されていないことが金先物相場を下支えする場面があった。

 

米国債券市場は続伸:米FRBの債券買い思惑から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小幅ながら4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.78%で終了した。米FRBが、短期金利の上昇を抑えるために国債買い入れに動くとの思惑から買いが先行したものの、買い一巡後は持ち高調整に伴う売りが出たため上値が重くなった。 

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