FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場下落:地政学的リスクの高まりを嫌気

NYダウは142.70ドル安の27076.82、ナスダックは23.17ポイント安の8153.54で取引を終了した。サウジアラビアの石油施設が攻撃を受け、イランの関与が疑われるなど中東情勢を巡る地政学リスクへの懸念から売りが先行した。また、原油相場が急騰してたことで、世界経済への先行き不透明感が広がった。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、売りが優勢となった。個別ではホーム・デポやゴールドマン・サックス、ウォルトディズニーなどの下げが目立った。半面、原油高を背景にシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー株は買われた。一方で、明日から開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)の結果を見極めたいとの思惑もあり、下値は限られた。VIX指数は14.22から13.74へ低下した。

 

NY外国為替市場:中東の地政学リスクの高まりで全般ドル買い

ユーロ/ドルは、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は14日、国営石油会社サウジアラムコの石油関連施設が攻撃を受け、2カ所の石油生産が一時的に停止したことを明らかにした。中東の地政学的リスクの高まりを背景に全般ドル買いが進むと、一時1.0994ドルと日通し安値を付けた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.71まで上昇した。もっとも、売りが一巡すると1.1000ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。10月の米中通商協議に向けての事務レベルの会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、徐々に様子見ムードが強まった。 

ドル/円は、小幅ながら上昇した。終値は108.12円と前営業日NY終値(108.09円)と比べて3銭程度のドル高水準だった。欧州株相場の下落を受けて一時107.67円付近まで値を下げたものの、107円台半ばには本邦実需勢の買いが観測されていることもあり、その後は徐々に買い戻された。米長期金利が1.87%台まで低下幅を縮めると全般ドル買いが加速し、一時108.17円と日通し高値を更新した。前週末13日の終値108.09円を上回り、週明けの窓を埋めた。なお、9月米NY連銀製造業景気指数は2.0と予想の4.0を下回ったものの、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は大幅高:中東情勢の悪化で買い優勢

NY原油先物市場は58.77ドル-63.38ドルのレンジ相場となった。9月14日に発生したサウジアラビアの石油施設攻撃を受けて中東情勢が悪化し、原油先物は急騰した。石油施設が攻撃されたことでサウジアラビアの石油生産能力は半減し、供給不安が台頭している。イランが石油施設への攻撃に関与しているとの見方があることも警戒されている。10月限りは一時63.38ドルと前日比15%超急騰し、中心限月ペースで約4ヵ月ぶりの高値を付けた。

 

NY金先物市場は反発:中東情勢悪化でリスク回避の金買い

NY金先物市場は1503.40-1519.70ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアの石油施設への攻撃を受けて安全逃避の金買いが広がった。米長期金利の低下や欧米株安を意識した買いも入った。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは6営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.84%で終了した。中東情勢の緊迫化を背景に安全資産とされる米国債に買いが集まった。

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