FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易協議の進展期待が買い材料

NYダウは73.92ドル高の26909.43、ナスダックは3.28ポイント安の8084.16で取引を終了した。米中貿易協議の進展期待が広がる中、投資家のリスク回避姿勢が後退し買いが優勢となった。ただ、米経済指標の発表など材料が乏しい中、今週の欧州中央銀行(ECB)定例理事会や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)など金融イベントを前に大きな方向感は出なかった。アップルが発表した動画配信サービスの月額料金が半額以下に設定されたのを受け、ネットフリックスが売られた。 VIX指数は15.27から15.20へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、『日銀は18-19日の金融政策決定会合で金融緩和の是非について議論する』との観測報道が伝わると円売り・ドル買いが先行し、一時107.49円付近まで値を上げたものの、東京時間の高値107.50円の上抜けに失敗すると107.19円付近まで失速した。NYダウが一時110ドル超下落したことも相場の重石となった。ただ、下値も堅かった。『中国は米国の対中制裁関税の延期と通信大手ファーウェイに対する制裁緩和を条件に、米国の農産物を購入する方針』との報道が伝わると、米中通商協議の進展期待が高まり円売り・ドル買いが再び優勢になった。NYダウがプラス圏を回復したことも相場の下支え要因となり、一時107.59円と8月1日以来の高値を更新した。米長期金利が1.74%台まで急伸したことも相場の支援材料となった。なお、トランプ米大統領がツイッターで『ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)の解任』を表明すると、伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、一時1.1031ドルと日通し安値を付けたものの、12日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて総じて方向感に乏しい展開だった。今日の高値は日本時間夕刻に付けた1.1060ドルで値幅は0.0029ドル程度と小さかった。 

 

NY原油先物市場は小幅安:米長期金利上昇で利食い売り優勢

NY原油先物市場は57.20ドル-58.76ドルのレンジ相場となった。この日も、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産が継続されるとの期待を背景とした買いが先行した。ただ、その後はトランプ米大統領が強硬派のボルトン米大統領補佐官を解任したとの報道や、米エネルギー情報局(EIA)が原油の価格・需要見通しを下方修正したことを背景に売りが強まった。 また、米長期金利の上昇を受けて58ドル台で利食い売りが観測された。

 

NY金先物市場は続落:リスクオフムードが後退し売り優勢

NY金先物市場は1492.10-1509.10ドルのレンジ相場となった。中心限月ペースで約1カ月ぶりに心理的節目の1500ドルを割り込んだ。米中通商協議の再開が決定してから投資家のリスクオフムードが後退し、安全資産とされる金の売りが続いている。また、米長期金利が上昇していることも売り材料となった。

 

米国債券市場は大幅続落:米中通商協議の進展期待で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.73%で終了した。利回りは一時1.7437%前後と8月9日以来約1ヵ月ぶりの水準に上昇した。米中通商協議の進展期待が広がる中、安全資産とされる米国債に売りが集まった。

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