FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:原油価格の上昇を好感

NYダウは258.20ドル高の26036.10、ナスダックは29.94ポイント高の7856.88で取引を終了した。米景気の先行きへの懸念がくすぶる中、売りが先行し140ドル超下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。市場では「米10年債利回りが2年債利回りを下回る『長短金利の逆転現象(逆イールド)』の度合いがやや和らいだことで、足もとで下げがきつかった金融株などに買い戻しが入った」との声が聞かれ、引けにかけて上げ幅を拡大した。原油先物相場の上昇を背景にエネルギー株が買われたことも相場の下支え要因となった。ただ、英国による約5週間の議会休会が明らかとなり、合意なきEU離脱への懸念が強まったほか、米中貿易摩擦への警戒感も根強い。VIX指数は 19.87から19.35へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:新規材料に乏しくもみ合い相場

ドル/円は、新規の取引材料に乏しく、しばらくは105円台後半でのもみ合いが続いたが、一時は140ドル超下落したNYダウがプラス圏を回復し、250ドル超上昇すると円売り・ドル買いが優勢となった。前日の高値106.18円を上抜けて一時106.23円まで上値を伸ばした。

ユーロ/ドルは、ユーロ圏景気の減速懸念などが引き続きユーロの重しとなり、一時1.1073ドルと日通し安値を付けた。対円中心にドル高が進んだ影響も受けた。なお、伊新政権発足へ向けて協議していた与党『五つ星運動』と最大野党の『民主党』は辞表を提出していたコンテ首相を再び首相に擁立することで合意した。複数のメディアによると『マッタレッラ伊大統領はコンテ氏に政権樹立を指示する見通しだ』という。与党内の衝突で混乱していた伊政局は左派政党による連立政権発足に向け前進した。ただ、相場への影響は限定的だった。 

 

NY原油先物市場は続伸:原油在庫が大幅に減少し買い優勢

NY原油先物市場は55.34-56.75ドルのレンジ相場となった。原油在庫が減少するとの見方から、原油は買いが先行した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫が1002.7万バレルの取り崩しと予想より大幅に減少するとNY原油に買いが強まった。また、ロシアが原油価格を支えるための石油輸出国機構(OPEC)による減産を公約するとの見方も引き続き材料視されていたようだ。

 

NY金先物市場は小反落:利益確定売りが優勢

NY金先物市場は1541.40-1556.60ドルのレンジ相場となった。昨日に約6年4カ月ぶりの高値水準まで上昇したこともあり、この日は利益確定売りが優勢となった。米株が上昇したことも、安全資産の金を買う動きを後退させた。ただ、金の先高観は根強く、下値は限定的だった。米中対立の長期化を意識して、安全逃避的な金買いは一部で継続している。

 

米国債券市場は反落:米国株高を嫌気した債券売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.48%で終了した。米景気の先行きへの懸念がくすぶる中、債券買いが先行したものの、米国株が持ち直すと債券にも売りが出て下げに転じた。なお、10年債利回りが2年債利回りを下回る『長短金利の逆転現象(逆イールド)』は継続した。

 

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