FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場:米中貿易摩擦の激化を嫌気した売り優勢

NYダウは623.43ドル安の25628.90ドルと3日ぶりに大幅に反落した。ナスダックは239.62ポイント安の7751.76ポイントで終了した。中国政府が対米報復関税を発表し、トランプ米大統領がツイッターへの投稿で対抗措置を講じる姿勢を示した。米中貿易摩擦の激化への警戒感から売りが膨らんだ。NYダウは一時下げ幅を745ドルまで広げた。トランプ大統領が予告した対中措置の発表を警戒し、週末を前に株式の買い持ちを手仕舞う動きが加速して取引終了にかけて下げ幅を急速に広げた。VIX指数は16.68から19.87へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦激化でリスク回避の円買い

ドル/円は、中国政府はこの日、米国による制裁関税『第4弾』への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に対し、9月1日から5-10%の追加関税を課すと発表した。欧州株が失速し、NYダウ先物が下落したため、リスク回避的な円買い・ドル売りが先行した。パウエル米FRB議長がジャクソンホール会議での講演で『経済は望ましい状況だが、リスクが迫っている』『景気拡大を維持するために、適切に行動する』などと述べると、追加利下げ観測が高まりドル売りを誘った面もある。トランプ大統領が中国の対米報復関税に反発し、直ちに対抗措置を取る考えを表明すると、米中貿易戦争が激しくなるとの見方からNYダウが一時740ドル超下落した。リスク回避の動きが強まり円買い・ドル売りが加速した。また、米長期金利が一時1.5047%前後まで急低下したことも相場の重石となり、105.26円と13日以来の安値を付けた。

ユーロ/ドルは、一時1.1052ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。中国が対米報復関税を発表したことで全般ドル売りが先行したうえ、パウエル米FRB議長が追加緩和に含みを持たせたことがドルの重石となった。トランプ大統領の『中国の新たな関税に対応する』とのツイートで米国株安と米金利低下が進むとユーロ買い・ドル売りが活発化し、一時1.153ドルまで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は続落:中国が米産原油にも関税賦課で売り優勢

NY原油先物市場は、中国が米国に対する報復関税の一つとして、9月1日より米産原油にも賦課することを発表したことで、原油価格は大幅に続落した。一旦持ち直す場面もあったが、トランプ米大統領が中国の報復関税に対しての対応を発表するとツイートしたことで、再び原油先物は売られた。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から16基減少し754基となった。

 

NY金先物市場は大幅反発:リスク回避の動き強まり上昇幅拡大

NY金先物市場は、ドルが底堅い展開だったことで弱含んで推移していたが、中国が米国に対して報復関税を課すことを発表した後は一転し、金先物に買いが集まった。中国の発表後の上昇は小幅だったが、その後トランプ大統領が『中国は要らない』『中国の報復関税に対しての対応を発表する』と怒りのツイートを発してから、資金の流れが安全資産へと急激にながれたため金先物の上昇幅が広がった。

 

米国債券市場は反発:米中貿易摩擦激化でリスク回避の債券買い

米国債券市場の長期ゾーンでは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)1.53%で終了した。米中貿易戦争の泥沼化への警戒感が一段と強まったことで、安全資産とされる米国債に買いが集まった。パウエル米FRB議長がジャンクホール会議での講演で追加利下げを示唆したとの見方から債券買いが入った。

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