FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米個人消費が堅調なことを好感

NYダウは240.29ドル高の26202.73、ナスダックは71.65ポイント高の8020.21で取引を終了した。ターゲットやロウズなど米小売業の四半期決算が良好な内容となったことを受けて、『米個人消費は堅調』との見方が広がると買いが先行した。伊政局を巡る懸念が和らぎ、伊株式相場など欧州株が軒並み上昇したことも投資家心理の改善につながった。また、FOMC議事録では、大方の予想通り、大半の当局者が利下げを低調なインフレや貿易摩擦問題の先行き不透明感による下方リスクに対する保険と認識しており、長期にわたる利下げ開始を意味するものではないことが示された。一方で、政策変更への柔軟性を持ち続けることでも一致した。発表後の株価に大きな変動はなく、終日堅調推移となった。NYダウの上げ幅は一時300ドルを超えた。VIX指数は17.50から15.80へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好地合いでも方向感を欠く展開

ドル/円は、コンテ伊首相が20日に辞意を表明したことで、早期の解散・総選挙は回避されるとの観測が広がり伊政局不安が後退した。伊株式市場を含め欧州株全般が上昇した。また、良好な米小売業の決算を受けて米国株が上昇したため、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出たて、一時106.65円と日通し高値を付けた。米長期金利が低下に転じた場面では106.35円付近まで下げる場面もあったが下押しは限定的だった。米長期金利は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表後に再び上昇に転じている。なお、7月30日-31日分のFOMC議事要旨では『今回の利下げはサイクルの半ばにおける調整』『幾人かの委員は柔軟性が必要だと強調』との見解が示された。トランプ米大統領はこの日、米連邦準備理事会(FRB)の政策が米成長や米国の経済的な競争力を阻害していると改めて批判し、FRBとパウエルFRB議長に対する利下げに向けた圧力を強めた。加えて、同氏は『キャピタルゲイン税や給与税の引き下げも含めた景気刺激策を検討している』との前日の発言を翻し『どのような形の減税も検討していない』と述べた。

 ユーロ/ドルは、しばらくは1.1100ドルを挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、FOMC議事要旨公表後に一時1.1081ドルと日通し安値を付ける場面があった。市場では『23日のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演、24日からの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)を控えて、大きな方向感が出にくい状況だ』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は下落:利益確定売りで上値重い展開

NY原油先物市場は55.55ドル-57.13ドルのレンジ相場となった。昨日発表された米石油協会(API)の原油在庫が大幅に取り崩しとなったことで、原油価格は堅調に推移していた。しかし本日発表されたEIA原油在庫はAPIの取り崩しほど、大きくはなかったことで上げ幅を縮めた。特にガソリン在庫と中間留分が積み増しとなったことが嫌気された。また、米中対立の早期解消への期待は高まっていないことから、利食い目的とみられる売りが観測された。

 

NY金先物市場は横ばい:ポジション調整の買い戻し

NY金先物市場は1506.50-1518.40ドルのレンジ相場となった。株式市場が堅調に推移したことで、リスク選好の流れに乗り金先物価格は弱含んでいた。しかし徐々に利食いの買い戻しも入ったことで、前日と同水準で引けた。 

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.59%で終了した。伊政局不安が後退したことで欧米株価が上昇すると、安全資産とされる米国債に売りが出た。7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で『今回の利下げはサイクルの半ばにおける調整』との見解が示されたことも債券売りを誘った。 

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