FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易摩擦への懸念根強く上値重い

NYダウ99.97ドル高の25579.39、ナスダックは7.32ポイント安の7766.62で取引を終了した。小売最大手のウォルマート(WMT)の決算が好感されたほか、7月小売売上高が予想を上振れ、買いが先行した。また、前日に800ドル安と急落した反動で自律反発狙いの買いが優勢になり、一時160ドル超上げた。景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄への買いが目立った。ただ、中国が米国による新たな追加関税への対抗措置を示唆したことで米中貿易摩擦への懸念も根強く、上値の重い展開となった。さらに、米10年債利回りが1.47%台と3年ぶりの低水準を付けたことが嫌気されて、一時140ドル近く下落する場面もあった。VIX指数は22.10から21.18へ低下した。

 

NY外国為替市場:薄商いの中値動きの荒い展開

ドル/円は、日本がお盆期間中で商いが薄いこともあり、一日を通じて荒い値動きとなった。欧州市場序盤には目先のストップロス注文を断続的に巻き込んで一時106.78円まで急伸したものの、すぐに失速した。中国政府が米国の対中制裁関税『第4弾』に対する報復措置を取る方針を示すと、米中貿易摩擦への懸念が高まり売りが優勢となった。米長期金利が低下したことも嫌気されて、一時105.70円と日通し安値を付けた。ただNY時間に入り、7月米小売売上高や8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数など、この日発表の米経済指標が相次いで予想より良好な内容だったことが分かると円売り・ドル買いが優勢になり106.34円付近まで値を上げた。NY時間午後に米長期金利が1.4732%前後と2016年8月以来の低水準を付けたことをきっかけにドル売りが強まると105.80円付近まで下げたものの、利回りが1.53%台を回復するとドル円も106円台前半まで持ち直した。市場では『米金利動向を睨みながらの荒い値動きとなり、為替市場は総じて神経質だった』との声が聞かれた。

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下を手掛かりに一時1.1158ドルと日通し高値を付けたものの、その後失速した。良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが出たほか、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁が『9月にインパクトのある大規模刺激策を実施する必要がある』と述べると、緩和策拡大の思惑からユーロ売りが広がった。前日の安値1.1131ドルを下抜けて一時1.1092ドルと2日以来の安値を付けた。

 

NY原油先物市場は続落:米中通商摩擦への警戒感から売り優勢

NY原油先物市場は53.77ドルー55.33ドルのレンジ相場となった。中国は米国の追加関税に対して報復措置を示唆するなど、米中通商摩擦への警戒感は高いままとなった。米中対立の激化は世界的な経済減速につながり、原油需要の減少が危惧される。そういった中で原油相場は売りが優勢とななった。また、ユーロ安も売り材料となった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:米長期金利低下が買い材料

NY金先物市場は1518.30-1537.70ドルのレンジ相場となった。おおむね良好な米経済指標を受けて金相場は利益確定売りが先行したが、低下傾向を強めた欧米金利の動きは金利がつかない金にとっては支援要因となった。マイナス金利の独・仏10年債利回りは過去最低を更新し、米10年債利回りは一時約3年ぶりの水準まで低下した。

 

米国債券市場は続伸:米中貿易摩擦懸念からリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.53%で終了した。米中貿易摩擦をきっかけに世界景気の減速懸念が高まる中、安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時1.4732%前後と2016年8月以来の低水準を付けた。ただ、この日発表された米経済指標が概ね良好だったことから、引けにかけては伸び悩んだ。 

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