FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦激化緩和を好感した買い優勢

NYダウは372.54ドル高の26279.91、ナスダックは152.95ポイント高の8016.36で取引を終了した。米中対立の長期化や香港デモ拡大への警戒感から売りが先行したものの、米通商代表部(USTR)が対中制裁関税の一部先送りを決めたと伝わると米中貿易摩擦が和らぐとの期待につながり一転上昇した。延期になった製品には携帯電話やパソコンが含まれており、ITやハイテク中心に買い戻しが膨らんだ。NYダウの上げ幅は一時529ドルに達した。 VIX指数は21.09から17.52へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦激化緩和でドル買いが優勢に

ドル/円は、米中対立の長期化や香港デモ拡大への警戒感から売りが先行し、欧州時間には一時105.01円まで値を下げた。ただ、前日に付けた1月3日以来の安値105.05円や節目の105.00円がサポートとして意識されると下げ渋った。
 NYの取引時間帯に入ると急伸。米通商代表部(USTR)は9月1日に発動する対中制裁関税『第4弾』について、携帯電話やパソコンなど一部製品への適用を12月15日まで延期すると発表した。また、中国商務省は『劉鶴副首相がライトハイザーUSTR代表、ムニューシン米財務長官の両氏と電話協議を行ったほか、今後2週間以内に再度協議することを計画している』と明らかにした。これを受けて小安い水準で推移していたNYダウが上げに転じ、一時520ドル超上昇した。ドル円にも買い戻しが広がり、一時106.98円まで急ピッチで値を上げた。米10年債利回りも一時1.7155%前後まで上昇した。トランプ米大統領が『米諜報機関からの情報として、中国政府が軍隊を香港との境界に移動させている』とツイートすると、香港デモへの中国介入が懸念されて106.41円付近まで伸び悩む場面があったものの、下押しは限定的だった。 

ユーロ/ドルは、米長期金利が1.61%台まで低下したことなどをながめユーロ買い・ドル売りが先行すると、一時1.1228ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.1231ドルを上抜けることは出来ず失速した。米国の対中制裁関税の一部適用延期発表を受けて、米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1170ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも1.1195ドル付近にとどまり、終始さえない展開が続いた。 

 

NY原油先物市場は続伸:リスク回避の巻き戻しから買い優勢

NY原油先物市場は、通商交渉の停滞が懸念された米中関係だったが、中国商務省が電話での閣僚級協議の実施と話し合い継続を明らかにした。また米政府は、9月1日に予定していた第4弾の対中追加関税について一部延期を表明。米中関係の改善期待が高まり、金融市場はリスク回避の巻き戻しが急速に強まった。リスク資産の原油にも買いが集まり、一時は57.40ドル台まで上昇した。 

 

NY金先物市場は反落:米中貿易摩擦激化懸念緩和で売り優勢

NY金先物市場は1488.90-1546.10ドルのレンジ相場となった。金融市場全般のリスク回避ムードの強まりに金先物は時間外から買いが先行し、一時1546ドル台まで上昇した。しかしながら、トランプ米政権が中国に対する第4弾の追加関税の一部先送りを発表すると、相場は一気にリスク回避の巻き戻しになった。NY金先物12月限は1490ドル割れまで急落した。もっとも、香港デモ拡大と中国介入への警戒感、南アジアでの核保有国同士の対立、アルゼンチンのデフォルト懸念などのリスクは残り、売り一巡後は1510ドル台まで持ち直した。 

 

米国債券市場は反落:リスク回避の巻き戻しで売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)1.70%で終了した。トランプ米政権が中国に対する第4弾の追加関税の一部先送りを発表すると、安全資産とされる米国債に売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重石となった。

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