FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:世界経済減速への懸念緩和を好感

NYダウは371.12ドル高の26378.19、ナスダックは176.33ポイント高の8039.16で取引を終了した。中国の7月貿易収支で輸出が予想外に増加し、世界経済減速への懸念緩和から買いが先行した。中国人民銀行が人民元売買の基準値を予想よりも元高に設定したほか、主要国での長期金利低下が一服したことから、一部銘柄に買い戻しが広がった。投資家心理が改善し、終日大幅上昇となった。ボーイングやビザ、シェブロン、アップルなどの上昇が指数の押し上げ要因となった。 VIX指数は19.49から16.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:トランプ大統領のドル高けん制発言も影響は限定的

ドル/円は、一時105.91円まで値を下げたものの、欧米株価の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると106.23円付近まで強含んだ。その後、トランプ米大統領が『米連邦準備理事会(FRB)が他国に比べ、金利を高水準に設定していることがドル高につながり、偉大な米製造業が公平な条件で競争することを困難にしている』などと述べ、ドル高に不満を表明すると105.99円付近まで売られたが、NYダウが370ドル超上昇したこともありすぐに106.24円付近まで持ち直した。ただ、米長期金利が低下に転じるとドル円は再び弱含んだ。ユーロ円の下落につれた売りも出て、一時105.90円と日通し安値を付けた。結局、NY市場に限れば106.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。 

 

ユーロ/円は、一時1.1181ドルまで売られたものの、6日の安値1.1168ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。『独政府は気候変動対策で新規国債発行を検討』との報道が伝わると、独長期債が下落(独長期金利は上昇)しユーロ買い・ドル売りが活発化した。トランプ米大統領のドル高けん制発言で、一時1.1232ドルと日通し高値を付ける場面があった。ただ、前日の高値1.1242ドルや6日の高値1.1250ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。イタリア連立政権を構成する『五つ星運動』と『同盟』との間の対立が深まる中、サルビーニ伊副首相(同盟党首)が『伊政府はもはや過半数ではない』『総選挙を実施する必要がある』などと述べるとユーロ売り・ドル買いで反応し1.1177ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反発:サウジアラビアの下落阻止報道を好感

NY原油先物市場は51.94ドル‐3.06ドルのレンジ相場となった。中国人民元相場が安定した動きになったことが買い安心感につながったほか、『サウジアラビアは原油価格の下落を阻止するためあらゆる選択肢を検討している』との報道や、サウジアラビアは9月の原油輸出を日量700万バレル未満に維持する計画とサウジ当局者が明らかにしたことも、原油の買い戻しを後押しした。また、中東情勢の緊張状態が緩和されていないことも支援材料となった。

 

NY金先物市場は反落:利益確定売り優勢

NY金先物市場は1501.60-1521.30ドルのレンジ相場となった。この日の中国人民元相場が安定した動きになるなど、米中貿易摩擦の激化懸念を背景としたリスクオフの動きが一段落し、前日まで約6年4カ月ぶりの高値水準まで上昇した金は利益確定売りが優勢となった。 

 

米国債券市場は反発:好調な30年債入札受け買い戻しの展開

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.71%で終了した。世界的な景気減速への懸念が和らぎ、安全資産とされる米国債には売りが先行した。米国株相場の上昇も相場の重しとなり、しばらくは軟調に推移した。ただ、30年債入札の結果が『好調』と受け止められると、10年債にも買いが波及したため終盤上げに転じた。 

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