FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中対立の過度なリスク回避が後退

NYダウは311.78ドル高の26029.52、ナスダックは107.23ポイント高の7833.27で取引を終了した。中国当局が元安進行を抑制する姿勢を示したことで、米中対立激化に対する投資家の過度なリスク回避姿勢が和らいだ。また、クドロー国家経済会議議長が中国側による9月の訪米を想定していると発言し、米中交渉の継続期待から堅調推移となった。前日までに5日続落し2カ月ぶりの安値を付けたあとだけに値頃感から押し目買いなども入り、指数は一時320ドル超上げた。VIX指数は24.59から20.17へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中通貨戦争に対する警戒感が後退

ドル/円は、中国人民銀行の幹部らは外国企業に対して『人民元の大幅な下落は続かない』と伝え、不安の払しょくに努めたと伝わった。また、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長はCNBCとのインタビューで『トランプ米大統領は中国との協議継続を望んでいる』『中国への関税についての状況は変わり得る』などと語った。米中通貨戦争に対する警戒感が後退し、NYダウが320ドル超上昇すると円売り・ドル買いが出た。NYダウが下げに転じたタイミングで一時106.25円付近まで弱含む場面もあったが、NYダウが持ち直すとドル円も再び106.60円台まで値を上げた。市場では『アジア時間に大きく上下した後とあって全般動きづらい地合いとなった』との声が聞かれた。なお、ナバロ米大統領補佐官(通商担当)はFOXニュースとのインタビューで『FRBは年末までにあと0.75%か1.00%利下げするべき』などと述べた一方、ブラード米セントルイス連銀総裁は『追加利下げが必要か今すぐ決めるのは時期尚早』との考えを示した。 

ユーロ/ドルは、ユーロ/ポンドの下落につれた売りが出て一時1.1168ドルと日通し安値を付ける場面があった。ただ、米10年債利回りが低下に転じるとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり1.12ドル台前半まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は続落:米中貿易摩擦懸念が上値の重石

NY原油先物市場は53.29ドル-55.42ドルのレンジ相場となった。引き続き米中貿易摩擦の激化を背景に景気減速がエネルギー需要を減退させるとの思惑が原油相場の重石となった。また、為替相場でドルが対ユーロで強含み、ドル建ての原油に割高感が生じたことも、原油の上値を圧迫した。 

 

NY金先物市場は続伸:世界経済の先行き不安根強く買い優勢

NY金先物市場は1468.20-1486.80ドルのレンジ相場となった。米財務省が中国を制裁対象となる『為替操作国』と認定したと発表するなど、米中関係の悪化を背景とした世界経済の先行き不安が根強く、逃避資産の金の買いが継続した。しかし、人民元相場の下落に対する過剰な警戒感は低下したことや、米国株式の反発を意識して金先物は一時弱含みとなった。

 

米国債券市場は続伸:米追加利下げ観測から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.70%で終了した。米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らぐと、安全資産とされる米国債に売りが先行したものの、引けにかけては再び買いが優勢となった。米利下げ観測も買いを促した。

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