★米国株式市場は下落:米中貿易戦争激化懸念から売り優勢
NYダウは767.27ドル安の25717.74、ナスダックは278.03ポイント安の7726.04で取引を終了した。1日にトランプ米大統領が対中追加関税の発動を表明して以降、米中の対立が深刻化し、アジア・欧州株が全面安となり、米国株も全面安となった。世界経済への不安が急激に高まる中、NYダウの下げ幅は一時960ドルを超え、今年最大の下げとなった。中国が国有企業に米農産物輸入停止を要請したと伝わったほか、人民元が対ドルで一時11年ぶりの水準にまで下落した。トランプ大統領は為替操作と非難しており、米中対立による投資家心理の悪化を受けて、終日大幅下落となった。VIX指数は17.64から24.59へ上昇した。
★NY外国為替市場:米国株安と米長期金利低下がドルの重石
ドル/円は、アジア市場では一時105.79円と1月3日のフラッシュクラッシュ以来の安値を付けたものの、NY市場に限れば106.00円を挟んだもみ合いの展開に終始した。NYタイムの下押しは105.90円付近にとどまり、ユーロ/円など欧州通貨のクロス円の上昇につれた買いが相場を下支えした。半面、NYダウが一時960ドル超下落し、米10年債利回りが1.7075%前後と2016年10月上旬以来の低水準を付けたことが相場の重しとなった。予想を下回る米経済指標も嫌気された。
なお、中国商務省は6日未明、米国からの農産品の購入を一時停止すると発表。トランプ米大統領が対中制裁関税『第4弾』の発動を表明したことへの制裁措置としている。
ユーロ/ドルは、中国人民元が対ドルで1ドル=7元台まで下落し、2008年5月以来11年3カ月ぶりの安値を更新した。節目を割り込む通貨安が『中国政府の米国に対する対抗措置』『中国当局は元安を容認している』と受け止められた。一方、トランプ米大統領は『中国が通貨をほぼ史上最低の水準まで下落させた。為替操作だ』などと批判した。市場では米中両国の対立激化への不安が強まり、欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル安が進んだ。7月米ISM非製造業指数が53.7と予想の55.5を下回り、3年ぶりの低水準を付けたこともドル売りを促し、一時1.1213ドルと7月22日以来の高値を付けた。
★NY原油先物市場は反落:世界経済の先行き不安から売り優勢
NY原油先物市場は54.22ドルー55.61ドルのレンジ相場となった。この日の人民元は対ドルで1ドル=7元台まで約11年ぶりの人民元安が進み、トランプ米大統領は『為替操作』と批判した。また、中国は米農産品の購入を停止するなど、米中両国の対立が深刻化するなか、世界経済の先行き不安が原油の需要を後退させるとの思惑が原油売りを強めた。9月限は一時54.22ドルまで下落したが、為替相場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての原油は下げ幅を縮小した。
★NY金先物市場は続伸:米国株安と米長期金利低下から買い優勢
NY金先物市場は1448.80-1481.80ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領が対中制裁関税第4弾を表明したことへの対抗措置として中国は米農産品の購入を停止するなど、米中貿易摩擦がエスカレートし、米株は大幅続落や米長期金利の大幅低下など、投資家のリスクオフ姿勢が高まり、逃避資産の金が買われた。
★米国債券市場は続伸:米中貿易戦争の激化でリスク回避の買い優勢
米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.13%低い(価格は上昇)1.71%で終了した。米中貿易摩擦の一段の激化を背景にリスク警戒姿勢が強まると、安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時1.7075%前後と2016年10月上旬以来約2年10カ月ぶりの低水準を付けた。
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