FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:パウエル米FRB議長のタカ派発言を嫌気

NYダウは333.75ドル安の26864.27、ナスダックは98.19ポイント安の8175.42で取引を終了した。朝方は、FOMC発表を午後に控えて小動きとなった。FOMCで、2008年12月以来10年半ぶりの利下げを決めたものの、パウエルFRB議長が定例記者会見で『今回の利下げは中期的な金融政策の調整であり、長期的な利下げ局面の始まりではない』との見解を示すと、追加利下げに対する期待が後退し株式への売りにつながった。NYダウは一時480ドル近く下落した。 VIX指数は13.94から16.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRBのタカ派発言でドル買い戻し

ドル/円は、7月ADP全米雇用報告や4-6月期米雇用コスト指数はほぼ予想の範囲内だったため、相場への影響は軽微だったものの、米7月シカゴ購買部協会景気指数が44.4と予想の50.6を下回ると円買い・ドル売りがやや優勢となり、一時108.49円と日通し安値を付けた。そのあとは米FOMC結果公表を前に大きな方向感は出なかった。市場の一部では0.50%の大幅利下げを期待した向きもあっただけに0.25%の利下げを受けて当初はドル買いで反応した。ただ、声明文には『景気拡大を維持するため適切に行動する』との文言が残った。景気減速リスクが残る限り、次回以降の会合でも引き続き利下げを実施する可能性を示唆した。また、今回は利下げと同時にFRBの保有資産の縮小終了も決定し、従来より2カ月前倒しした。FOMC声明を受けてドル買いの勢いは徐々に弱まり、ドル円はやや伸び悩んだ。しかしながら、パウエルFRB議長が定例記者会見で『今回の利下げは中期的な金融政策の調整であり、長期的な利下げ局面の始まりではない』との見解を示すと、再びドル買いが優勢となり一時109.00円まで値を上げた。 

 

ユーロ/ドルは、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが出たことをきっかけに全般ユーロ安が進行した。FRBは2008年12月以来10年半ぶりの利下げを決めたものの、『パウエルFRB議長は会見で継続利下げを否定した』との受け止めから、追加利下げに対する期待が後退するとドル買いが加速し、一時1.1060ドルと2017年5月16日以来約2年2カ月ぶりの安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は続伸:在庫減少や米FOMCの利下げを好感

NY原油先物市場は57.81ドルー58.82ドルのレンジ相場となった。米週間原油在庫の取り崩し継続を確認して、NY原油先物は16日以来の高値58.82ドルまで上昇した。リビア最大の油田でのバルブ閉鎖も買い材料となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(7/26時点)は、原油在庫が-849.6万バレル(前週 -1083.5万バレル)と取り崩しを継続した。原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫も-153.3万バレル(前週 -42.9万バレル)と取り崩しを継続した。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げは経済を支援し、原油需要は増加するとの期待も買い材料となった。 

 

NY金先物市場は反落:FOMC後のドル高を嫌気

NY金先物市場は1422.30-1447.80ドルのレンジ相場となった。FOMCの会合結果を確認したいとの理由で通常取引の時間帯ではポジション調整的な売買が主体となった。FOMC会合で0.25ポイントの利下げが予想通り決まったが、全会一致の利下げではなかったことや、ドル高が進んだこともあり通常取引終了後の時間外取引で金先物は1422.30ドルまで下落した。

 

米国債券市場は上昇:保有資産の縮小終了の前倒しを好感

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.01%で終了した。FOMCで、利下げを決めたと同時に、保有資産の縮小を2ヵ月前倒ししたことが債券買いを誘った。

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