FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米主要企業決算を嫌気した売り優勢

NYダウは128.99ドル安の27140.98、ナスダックは82.96ポイント安の8238.54で取引を終了した。複数の主要企業決算が嫌気されたことや、6月米耐久財受注額など米経済指標が良好な内容だったことを受けて、米金融緩和策への期待が後退し売りが出た。前日発表した四半期決算の内容が引き続き嫌気されて、米航空機大手ボーイングが3.8%ほど下落。1銘柄でダウ平均を89ドルほど押し下げた。欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げ見通しが示されたものの、相場への影響は限定的だった。VIX指数は12.07から12.74へ上昇した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標を受け全般的にドル買い優勢

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が市場予想通り政策金利を据え置いた際の声明で『必要ならば長期に渡って金利は現行かさらに低い水準と予想』との見解を示したほか、金利階層化や新たな資産購入を検討することなどを明らかにしたためユーロ売りが先行した。6月米耐久財受注額など米経済指標が良好な内容だったことも相場の重しとなり、一時1.1102ドルと2017年5月19日以来約2年2カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、ドラギECB総裁が理事会後の会見で『今日は利下げについて議論しなかった』『利下げなら影響を緩和する措置も同時に打ち出す』『利下げの場合の利下げ幅や資産購入について議論せず』と発言すると、過度の早期利下げ観測が後退しユーロは急速に買い戻された。一時本日高値となる1.1188ドルまで値を上げた。
 もっとも、米長期金利が上昇すると全般ドル買い戻しが進んだ流れに沿ってユーロドルも上値を切り下げる展開になった。ポンドドルの下落につれた売りも出て一時1.1127ドル付近まで押し戻された。複数のECB関係筋の話として『9月会合での利下げは確実。フォワードガイダンス強化や資産購入再開の公算も大きい』と伝わったこともユーロの重石となった。

ドル/円は、ドラギECB総裁の会見を受けて、過度の早期利下げ観測が後退すると独長期金利が上昇。米長期金利も上昇し、円売り・ドル買いを誘った。6月米耐久財受注額や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことを受けて全般ドル買いが活発化すると、一時108.75円と10日以来約2週間ぶりの高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は小幅に反発:米中通商協議への期待から買い優勢

NY原油先物市場は55.81ドル-56.99ドルのレンジ相場となった。昨日は高値から安値までの下げ幅が4%近くとなり、本日はその反動による買い戻しが先行した。来週前半に開かれる閣僚級の米中通商協議への期待感も、エネルギー需要好転のチャンスと捉えられ原油先物の買い要因とされた。もっともWTI9月限の57ドル前後では利益確定の売りもみられ、引けにかけて上げ幅を縮小した。 

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1411.10-1434.10ドルのレンジ相場となった。定例理事会で政策金利を据え置いた欧州中央銀行(ECB)だが、その声明では今後の利下げを示唆した。金利がつかない金の買い材料とされ、金先物は時間外では強含んだ。しかしながらドラギECB総裁の会見は市場が期待するほどのハト派な内容ではなく、ユーロ圏金利は反転し上昇した。また、良好な米経済指標を受けて米金利も上昇すると金先物には売りが強まり、前日引け水準を割り込み軟調に推移した。 

 

米国債券市場は反落:欧州国債売りに連れて売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.08%で終了した。ドラギECB総裁の会見が性急な金融緩和に慎重姿勢を示したと受け止められ、欧州国債相場が下落した。連れて米国債にも売りが波及した。良好な米経済指標が相次いだことも相場の重し。 

 

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