FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米国の大幅利下げ期待後退と地政学リスクを嫌気

NYダウは68.77ドル安の27154.20、ナスダックは60.75ポイント安の8146.49で取引を終了した。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)の好決算や、航空機大手のボーイング(BA)が旅客機「737 MAX」を巡る関連費用を明らかにしたことが好感され、買いが先行した。『ブラード米セントルイス連銀総裁など米金融当局者らは今月末のFOMCで0.25%の利下げを実施すると示唆』との米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を受けて、FRBの大幅利下げ期待が後退し売りが優勢となった。また、米中高官が電話協議を実施したことが伝わり、今後の米中協議を見極めたいとの思惑が広がったほか、イラン情勢を巡る地政学リスクへの懸念から小動きとなったが、引けにかけて下落に転じた。VIX指数は13.97から14.45へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルの売り買い材料交錯し上下に振れる展開

ドル/円は、前日のウィリアムズ米NY連銀総裁のハト派発言について、NY連銀がアジア時間早朝に『次回の政策行動に関するものではない』などと説明した。NY市場でも『ブラード米セントルイス連銀総裁など米金融当局者らは今月末のFOMCで0.25%の利下げに踏み切ると示唆。0.50%の利下げは準備していない』との米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を受けて、FRBの大幅利下げ期待が後退しドルを買い戻す動きが継続した。一時107.98円と日通し高値を付けた。ただ、節目の108.00円や前日の高値108.02円を上抜けることは出来なかった。トランプ米大統領がツイッターで『FRBは馬鹿げた金融引き締めをやめるべき』『金利は低下すべき』などと述べ、FRBに改めて利下げ圧力を掛けたことが相場の重しとなったほか、米・イラン関係の緊迫化で中東情勢への警戒感が高まっていることが嫌気された。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が早ければ来週の理事会で利下げを実施するとの観測が高まる中、イタリア連立政権の存続が危ぶまれユーロ売りが先行した。独有力誌シュピーゲルが『ECBは11月までに国債購入を再開する計画』と報じたことも相場の重しとなった。月末のFOMCで0.25%利下げが濃厚となったこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.1204ドルと日通し安値を付けた。なお、ユーロ圏短期金融市場ではECBが来週0.10%利下げする確率が約60%まで高まっている。 

 

NY原油先物市場は反発:中東情勢のリスク高まり買い優勢

イラン革命防衛隊がホルムズ海峡で英国籍のタンカーを拿捕したとの報道を受けて、米国・イランの軍事的緊張の高まりへの警戒感で昨日に約1カ月ぶりの安値水準まで下落した原油に買い戻しが入った。ただ、為替相場でドルが対ユーロで上昇し、ドル建ての原油の買い戻しは限られた。米大手石油ガス開発のベーカー・ヒューズによると、米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から5基減少の779基となった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに小反落:米長期金利上昇を受け利益確定売り優勢

NY金先物市場は1421.10-1454.40ドルのレンジ相場となった。米国の大幅利下げ観測がやや後退したことや、米長期金利の上昇を受けて安全逃避の金買いは縮小し、昨日に約6年2カ月ぶりの高値水準まで上昇した金は利益確定売りが優勢となった。 

 

米国債券市場は反落:米国の大幅利下げ期待後退で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.05%で終了した。今月末のFOMCでの大幅利下げ期待が後退し、債券売りが優勢となった。前日までは0.50%の利下げ予想が広がっていたものの、本日は0.25%利下げにとどまるとの見方が強まった。

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