FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:G20 控え様子見ムード強まり方向感出ず

NYダウは10.17ドル安の26526.65ドル、ナスダックは57.79ポイント高の7967.76で取引を終了した。29日の米中首脳会談を前に様子見ムードが強まり、相場の方向性は定まらなかった。ボーイング「737MAX」に新たな潜在的リスクが見つかったことを受けて、ボーイング株が3%近く下落。1銘柄でダウ平均を72ドルほど押し下げた。 中国が同国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)に対する制裁緩和を要求しているとの報道もあり、上値の重い展開となった。VIX指数は16.28から15.82へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で上値の重石

ドル/円は、『米中は貿易戦争の一時的な休戦で合意』との香港紙の報道を受けて、アジア市場では108.16円まで買われる場面があった。ただ、中国外務省が『(休戦合意)承知していない』との見解を示すと円買い・ドル売りが優勢になった。『習近平・中国国家主席はトランプ米大統領に対して『休戦』のための前提条件を提示する見込み』との報道も嫌気されて、一時107.67円付近まで下押しした。米長期金利が2.002%前後まで低下したことも相場の重石となった。なお、1-3月期の米国内総生産(GDP)確定値は市場予想通り、米個人消費確定値は予想を下回った半面、米コアPCEデフレーター確定値は予想より強い結果となった。強弱入り混じる内容となったため相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、28-29日に20カ国・地域(G20)首脳会議(G20大阪サミット)を控えて様子見ムードが強まる中、大きな方向感は出なかった。メルケル独首相はこの日、今月2回目となる全身が小刻みに震える発作に見舞われた。G20大阪サミットには予定通り参加するものの、市場では『政権の求心力が失われるなかでの健康問題は政局に微妙な影を落としかねない』との指摘があった。 

 

NY原油先物市場はもみ合い:G20を控えて様子見の展開

NY原油先物市場は58.61ドル-59.73ドルのレンジ相場となった。世界中の視線がG20に合わせて29日に予定されている米中首脳会談に向けられており、積極的な取引は手控えられた。ガドバン・イラク石油相は、来週の石油輸出機構(OPEC)総会で協調減産を延長するとの見通しを示した。 原油在庫の大幅な減少を意識した買戻しは一巡したが、需給関係の改善を意識して押し目買いの興味は残された。

 

NY金先物市場は続落:米中首脳会談を控えポジション調整売り優勢

NY金先物市場は1401.40-1415.30ドルのレンジ相場となった。米中両国が貿易戦争の一時休戦で合意したとの報道を受けて一時1401.4ドルまで下落した。ポジション調整的な売りが観測された。ただ、中国外務省が『(休戦合意)承知していない』との見解を示したことや、週末の米中首脳会談を見極めたいことで一方向に大きく傾けず、下げ幅を縮小して取引を終えた。安全逃避的な金買いも一部で観測された。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.01%で終了した。米中首脳会談を巡って楽観的な報道が伝わった一方、慎重な報道も流れた。情報が錯綜したことで会談を巡る不透明感が強まり、安全資産とされる米国債を買う動きにつながった。

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