FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定売りに押される展開

NYダウは34.04ドル安の26719.13、ナスダックは19.63ポイント安の8031.71で取引を終了した。5月末から上昇が続き、高値警戒感から利益確定売りが優勢となった。ただ、NYダウは一時最高値を更新するなど、投資家の買い意欲は根強い。米FRBによる利下げ期待が市場のリスク選好ムードを支えている。朝方は弱く始まったが、緩和期待を支えに、直ぐにプラス圏に回復した。ペンス米副大統領が予定していた中国の政策に関する演説を中止したと報じられると、米中協議が進展しているとの見方から上げ幅を拡大した。しかし、米商務省が中国スパコン企業を事実上のブラックリストに加えたことが重石となったことや、週末を控えたポジション調整目的の売りが強まると下げに転じた。VIX指数は14.75から15.40へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBの早期利下げ観測からドルの上値重い

ドル/円は、米6月製造業・サービス部物PMI速報値が予想を下回ったことで円買い・ドル売りが先行したものの、米5月中古住宅販売件数が予想を上回ったことが分かると買い戻しが優勢となり一時107.74円と日通し高値を付けた。NYダウが一時150ドル超上昇したことも相場の支援材料となった。ただ、米FRBの早期利下げ観測を手掛かりにドルの戻りを売りたい向きも多く、上値は限られた。米商務省が中国企業に対する新たな禁輸措置を導入したと伝わると米国株が失速したことが相場の重石となり、一時107.30円近辺まで下押しした。

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表されたユーロ圏の製造業・サービス部門PMI速報値が良好な内容となったことから、全般ユーロ買いが先行した。ユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いも入り、一時1.1378ドルと3月22日以来約3ヵ月ぶりの高値を付けた。米国の早期利下げ観測を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入りやすい面もあった。

 

NY原油先物市場は続伸:中東情勢の緊迫から買い優勢

NY原油先物市場は、米国・イランの軍事的緊張が高まる中、中東からの原油供給への不安が原油相場を押し上げる要因となった。米国は一旦決定した軍事行動の行使を直前で中止したが、イランは少なくとも米軍機の撃墜が可能であったことなどに現地メディアが言及するなど、緊迫して状況が継続している。また、米北東部の製油所で21日早朝に爆発が起き、火災も発生した。事故を受けて画素rン先物相場が上昇し、原油にも買いが及んだ。投機筋の原油先物の買越幅は8週間ぶりに拡大し、前週比1万1432枚増の36万3087枚となった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比1基増の789基となった。

 

NY金先物市場は続伸:中東情勢緊張からリスク回避の金買い継続

NY金先物市場は、米国・イランの軍事的緊張が、リスク回避資産とされる金の底堅い動きにつながっている。トランプ米大統領が、いったん承認したイランへの軍事行動を撤回し、その他の制裁措置にとどめるなど、リスク回避一辺倒ではないが、不透明感は拭い去れない。 2013年以来の1400ドル台と、高値水準の推移が続いた。投機筋の金先物の買越幅が3週連続で拡大し、前週比2万85枚増の20万4323枚と18年1月30日以来1年5ヵ月ぶりの高水準となった。

 

米国債券市場は下落:利益確定売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.05%で終了した。足もとで上昇相場が続いたことから、週末を控えたポジション調整的な売りが優勢となった。米5月中古住宅販売件数が予想を上回ったことも相場の重石となった。

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