FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米早期利下げ観測高まりを好感

NYダウは38.46ドル高の26504.00、ナスダックは33.44ポイント高の7987.32で取引が終了した。朝方は、連邦公開市場委員会(FOMC)の発表を午後に控えて小動きとなった。米FOMCの結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見を受けて、米早期利下げ観測が高まると、株式市場に資金流入が続くとの見方から買いが入った。個別ではユナイテッド・ヘルスやウォルトディズニー、メルクなどの上昇が目立った。 VIX指数は15.15から14.33へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC結果受けドル失速

ドル/円は、米FOMCの結果やパウエル米FRB議長の定例記者会見を受けて、米早期利下げ観測が高まると、米長期金利の低下とともにドル安が進行し、一時107.90円と日通し安値を付けた。ただ、7日の安値107.88円や5日の安値107.82円が目先サポートとして意識されると108円台前半まで下げ渋っている。
 FOMCはこの日、市場の予想通りFFレート誘導目標を2.25-2.50%に据え置いたものの、声明では『委員会は(利上げに)忍耐強くなれる』との表現を削除し、『今後のデータを監視し景気拡大を維持するため適切に行動する』との文言に置き換えた。景気減速が鮮明になれば早期利下げに踏み切る可能性を示唆した。政策金利見通しでは17人の政策当局者のうち7人が年末までに0.50%の利下げを見込み、1人が0.25%の利下げを想定した。また、投票メンバー10人のうち9人は金利据え置きに賛成したものの、ブラード米セントルイス連銀総裁は0.25%の利下げを求めて反対票を投じた。FOMCは2015年末に利上げを再開したが、利下げを求めて反対票が出たのは初めてとなった。

ユーロ/ドルは、市場では『前日にドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の金融緩和を示唆した発言で急激に売られた警戒感から、買い戻しが入った』との指摘があり、じり高の展開となった。FOMC結果公表後に米早期利下げ観測が強まるとユーロ買い・ドル売りが加速し一時1.1254ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:前日の大幅反発に対する反動売り

NY原油先物市場は53.50ドル-54.65ドルのレンジ相場となった。原油在庫の減少を好感して買いが先行したが、米FOMC会合の結果判明を控えてポジション調整的な売りも入った。ただ、FOMC会合で政策金利の据え置きが予想通り決定され、7月利下げの可能性が高まる結果となったことから、原油先物は通常取引終了後の時間外取引で54ドル台に戻した。

 

NY金先物市場は反落:ポジション調整の売りが重石に

NY金先物市場は1344.80-1366.60ドルのレンジ相場となった。米FOMCを控え、市場が全般的に様子見姿勢となるなか、前日の上昇に対する小幅な調整が入った。政策金利の据え置きが予想通り決定され、7月利下げの可能性が高まる結果となったことから、金先物は下げ渋った。その後、FOMC後にドル安が進むと、引け後の時間外取引で上値を伸ばした。 

 

米国債券市場は続伸:米早期利下げ観測から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.02%で終了した。米FOMC声明や政策金利見通し、パウエル米FRB議長の発言などを受けて、米早期利下げ観測が高まると債券買いが優勢となった。

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