FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世界景気の先行き不透明感から売り優勢

NYダウは17.16ドル安の26089.16ドル、ナスダックは40.47ポイント安の7796.66と反落して終了した。中国国家統計局が発表した5月鉱工業生産が約17年ぶりの低い伸びとなったことで、需要の減少が鮮明になった。そのため、年後半の需要回復に対する期待が後退した半導体関連株が軒並み売られたのも相場の重荷となった。世界景気の先行き不透明感が意識された。ただ、この日発表の米5月小売売上高が堅調な内容だったことから、買いも入りやすくNYダウは一時プラス圏を回復する場面もあった。VIX指数は15.82から15.28へ低下した。

 

NY外国為替市場:米経済指標が概ね良好でドル買い優勢

ユーロ/ドルは、独10年債金利が一時▲0.270%前後と過去最低を付けたことでユーロ売り・ドル買いが先行下。米5月小売売上高など米経済指標が概ね良好な内容だったことが分かると全般ドル買いが活発化し、一時1.1203ドルと5月31日以来の安値を付けた。米商務省が発表した米5月小売売上高は市場予想をやや下回ったものの、4月分が上方修正されて3ヵ月連続の増加となった。また、FRBが公表した米5月鉱工業生産指数は市場予想より強い内容となった。

ドル/円は、アジア時間夕方に一時108.16円と日通し安値を付けたものの、米小売売上高が『まずます堅調な内容だった』と受け止められと一転円売り・ドル買いが優勢になった。対欧州・オセアニア通貨中心にドル高が進んだ影響も受けて、一時108.59円まで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は続伸:中東情勢の地政学リスクの高まりから買い優勢

NY原油先物市場は売りが先行した。前日の石油輸出国機構(OPEC)に続いて、国際エネルギー機関(IEA)が19年の世界の石油需要見通しを下方修正したことが材料視された。もっとも、NY勢が本格参入すると買いが強まり一時52ドル後半まで上昇した。また、前日のオマーン湾でのタンカー攻撃で米国とイランの軍事緊張が高まり、中東の地政学リスクが再び意識された。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比1基減少の788基となった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:ドル高進行を嫌気して上げ幅縮小

NY金先物市場は小幅に4日続伸して終了した。前日に高まった中東を巡る地政学リスクが引き続き意識されロンドン序盤には1362ドル台まで大きく上昇した。しかし、その後、米5月小売売上高など米経済指標が概ね良好な内容だったことで、為替市場でドル高が進行したことで金に割高感による利益確定売りに傾き、週末引けにかけて上昇幅を大きく縮めて終了した。

 

米国債券市場は続伸:世界景気の先行き不透明感から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年債利回りは前日比0.01%低い(価格は上昇)2.08%で終了した。5月中国鉱工業生産が約17年ぶりの低い伸びとなったことで、世界景気の先行き不透明感が意識され債券買いを誘った。ただ、米5月小売売上高など米経済指標が概ね良好な内容だったことから、相場の上値は重かった。

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