★米国株式市場は上昇:原油高が好感されたが上値は限定的
NYダウは101.94ドル高の26106.77、ナスダックは44.41ポイント高の7837.13で取引を終了した。中東のホルムズ海峡近くのオマーン湾で2隻の石油タンカーが攻撃を受けて、中東の地政学的リスクが高まったことから、原油先物相場が急伸した。シェブロンやエクソンモービルなどエネルギー株が買われ指数を押し上げた。米連邦準備理事会(FRB)が早期利下げに踏み切るとの観測が浮上していることも引き続き株価を下支えした。 一方で、米中貿易摩擦を見極めたいとの思惑が根強いほか、ポンぺオ国務長官がタンカー攻撃をイランの責任と断定したことで地政学リスクが意識され、上値は限られた。VIX指数は15.91から15.82へ低下した。
★NY外国為替市場:地政学リスクの高まりからドルじり安
ドル/円は、米国株相場の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行し、一時108.54円とアジア時間に付けた日通し高値に面合わせしたものの、この水準を上抜けることが出来ずに失速した。米30年債入札が好調だったと受け止められ、米長期金利が低下幅を広げたことも相場の重石となった。ペルシャ湾における海上輸送の要衝、ホルムズ海峡で石油タンカー2隻が攻撃されたことについて、米政府はイランに責任があると断定した。5月のタンカー攻撃時も米政府はイランの関与を指摘しイランは反発した。米国とイランの関係が一段と悪化し、中東の地政学リスクを高めるとの警戒感が強まると、円買い・ドル売りで反応し一時108.25円付近まで下押しした。
なお、トランプ米大統領はツイッターで『安倍晋三首相によるイラン訪問に感謝している』としながらも、『米国がイランと取引をするかどうかを検討することさえも時期尚早』との考えを示した。
ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.1304ドルまで上昇したあとはじり安の展開になった。財政規律を巡る欧州連合(EU)とイタリアの対立懸念が根強いなか、市場では『一目均衡表雲の上限1.1280ドルを下抜けたことでテクニカル的な売りが出やすい』との指摘があり、一時1.1269ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は新規材料難から1.12ドル台後半で値動きが鈍った。
★NY原油先物市場は反発:石油タンカー攻撃で供給不安から買い優勢
NY原油先物市場は50.92ドル-53.45ドルのレンジ相場となった。石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くのオマーン湾で、2隻の石油タンカーが攻撃されたというニュースを受けて原油相場は急騰した。NY昼にかけては利食いの売りに押されたが、引けにかけては再び52ドル台で強含む場面があった。米政府が『タンカー攻撃はイランに責任がある』と明言し、米イラン間の緊張の高まりが警戒された。ただ、買戻し一巡後は米中対立が続いていることや、原油需要拡大に直結する材料は多くないとの見方で原油先物の上げ幅は縮小した。
★NY金先物市場は続伸:地政学リスクの高まりでリスク回避の買い
NY金先物市場は1335.90-1347.00ドルのレンジ相場となった。中東のホルムズ海峡近くのオマーン湾で2隻の石油タンカーが攻撃を受け、中東の地政学リスクの更なる高まりが警戒されて安全資産の金に買いが集まった。また、FRBによる早期利下げ観測が強まる中で米金利は低下傾向であり、金利がつかない金にとっては支持要因となった。また、この日発表された新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことも材料視された。
★米国債券市場は続伸:地政学リスクの高まりで安全資産としての買い優勢
米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(金利は低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.09%で終了した。中東オマーン沖で日本の船舶を含む2隻の石油タンカーが攻撃されたことを受け、中東情勢が緊迫すると警戒から安全資産とされる米国債に買いが入った。米30年債入札が好調だったと受け止められると、債券買いが強まった。
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