FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:利下げ期待とメキシコとの貿易摩擦緩和を好感

NYダウは207.39ドル高の25539.57、ナスダックは48.36ポイント高の7575.48で取引を終了した。5月ADP雇用統計が予想を大幅に下振れ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が強まり、買いが先行した。米国とメキシコの貿易摩擦への警戒感が和らいだことを受けて幅広い銘柄が買われた。アップルのティム・クックCEOが「中国はアップルを報復の対象にしていない」と述べたことで同社株が買われ、指数の押し上げ要因となった面もある。 また、地区連銀経済報告(ベージュブック)では、前回に比べて米経済が広範に拡大したことが指摘され、堅調推移となった。VIX指数は16.97から16.09へ低下した。

 

東京外国為替市場:メキシコ関税発動回避の思惑からドル買い

ドル/円は、市場では『カプラン米ダラス連銀総裁が利下げに慎重な姿勢を示したことにドル買いで反応した』との声が聞かれ、一時108.38円まで値を上げた。ただ、5月ADP全米雇用報告が2.7万人増と予想の18万人増を大幅に下回ったことが分かると、米長期金利の急低下とともにドル売りが優勢となり一時107.77円と1月10日以来の安値を付けた。もっとも、現物の米国株が上昇して始まるとショートカバーが優勢になった。ナバロ米大統領補佐官(通商担当)が『対メキシコ関税発動は必要ない可能性』との見解を示したうえ、米上院財政委員会のグラスリー委員長が『米国はメキシコに関税を課さない見通し』と発言したことで、追加関税が回避される可能性が意識された。米国とメキシコの貿易摩擦への警戒感が和らぐと円売り・ドル買いが活発化し、一時108.48円と日通し高値を付けた。5月米ISM非製造業指数が56.9と予想の55.5を上回ったことも相場の支援材料となった。なお、米FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)は『経済は緩やかに拡大した』と総括判断したものの、『製造業には減速の兆しがある』として景気減速への懸念の高まりを指摘した。

ユーロ/ドルは、予想を大きく下回った米雇用指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1306ドルと日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。財政規律を巡るEUとイタリアの対立懸念などを背景にユーロ売り・ドル買いが出やすかったうえ、米ISM非製造業指数が予想を上回ったことでドル買い戻しが進んだ。原油先物価格の大幅下落を背景にドル高・資源国通貨安が進むと、ユーロに対してもドル買いが入り一時1.1220ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:在庫が大幅増加したことを嫌気

NY原油先物市場は50.60ドル-53.41ドルのレンジ相場となった。通商リスクを背景とした世界経済の先行き懸念で、原油相場の軟調な動きが続いているなか原油在庫増が嫌気され、原油先物は大幅安となった。米エネルギー省(EIA)がこの日発表した在庫統計で、原油は取り崩し予想に反して677.1万バレルの積み増しとなり、ガソリンも予想を上回る増加となった。前日に続いて米国株高を意識した買いが観測されたが、需給関係の悪化を嫌気して短期筋などの売りが増えた。米ドル安が一服したことや通商問題などを巡る米中対立は続いていることも原油先物の上昇を抑えている。

 

NY金先物市場は続伸:米国金利先安観から底堅い展開

NY金先物市場は1329.30-1348.90ドルのレンジ相場となった。米国株式の続伸を意識して上げ幅は縮小したものの、米国金利の先安観は強まる展開となっており、金先物は底堅い動きとなった。米中貿易摩擦の激化懸念を背景とした地合いが継続した。

 

米国債券市場は横ばい:米経済指標の好悪結果に行って来い相場

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ2.13%で終了した。米5月ADP全米雇用報告が市場予想を大きく下回ったことで債券買いが先行したものの、米5月ISM非製造業指数が市場予想を上回ったことで一転して売りが入り下落した。

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