★米国株式市場は上昇:押し目買い優勢も上値の重い展開
NYダウは43.47ドル高の25169.88、ナスダックは20.41ポイント高の7567.72で取引を終了した。前日に約3カ月半ぶりの安値を付けたあとだけに、押し目買いが優勢だった。ただ、米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念から指数は下げる場面もあった。また、中国政府が貿易摩擦の高まりを背景に米国産大豆の購入を保留したことから、投資家心理が悪化した。米長期金利が引けにかけて再び低下したほか、原油相場の下落が嫌気され上値の重い展開となった。個別ではマクドナルド(1.66%高)やコカ・コーラ(1.33%高)、インテル(1.13%高)などが買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ(2.34%安)やシェブロン(1.19%安)などは売られた。VIX指数は17.90から17.30へ低下した。
★NY外国為替市場:トランプ政権内からの発言で乱高下
ドル/円は、トランプ米大統領が『中国との通商交渉は上手くいっている』『中国は米国との取引成立を望んでいる』と述べたほか、訪英中のボルトン米大統領補佐官が『米国は華為技術(ファーウェイ)への対応を最終決定したわけではない』などと発言すると、米中の貿易摩擦激化への懸念が和らぎ円売り・ドル買いが先行し、一時109.93円と日通し高値を付けた。
ただ、米長期金利の低下に伴う売りが出たほか、市場では『ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過するとドルを売る動きが目立った』との指摘があった。ペンス米副大統領が『米国は必要なら中国製品への関税を2倍以上に引き上げることができる』と発言したことで円買い・ドル売りが強まると、一時109.43円と日通し安値を更新した。ただ同時に『トランプ米大統領はG20で習近平・中国国家主席と会談するだろう』との見解も示したため、一方的に円高・ドル安が進む展開にはならなかった。米国株相場もこの発言後に再び上昇に転じている。
ユーロ/ドルは、『サルビーニ伊副首相(同盟党首)は連立政権離脱も辞さない構え』との報道が伝わると、ユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1116ドルと日通し安値を付けた。ただ、23日の安値1.1107ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米長期金利が低下したこともユーロ買い・ドル売りにつながった。もっとも、今日これまでの高値は夕刻に付けた1.1143ドルで値幅は0.0027ドル程度と小さかった。
★NY原油先物市場は大幅続落:世界経済の成長鈍化の懸念で売り優勢
NY原油先物市場は56.33ドルー59.70ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省が発表した週間在庫統計で原油在庫が予想ほど減らなかったことや、ガソリン在庫が予想に反して増加したことで、在庫統計発表後から原油先物は弱含み、3月上旬以来の水準まで大幅下落した。 また、米中貿易問題の長期化・深刻化の影響で世界経済の成長率は大幅に鈍化し、原油需要は減少するとの懸念は消えていないことも売り材料となった。
★NY金先物市場は続伸:ドル売りが強まると上げ幅広げる
NY金先物市場は1279.20ドルー1293.40ドルのレンジ相場となった。欧米株式市場が堅調に推移していたことで、弱含んでいたが、ロンドンフィキシングを通過すると、ドルが売られ、金先物価格も24時を境に上げ幅を広げた。その後も米国株の上げ幅が徐々に縮小したことで、金先物は堅調に推移した。また、欧州の政治不安や、イタリアの財政悪化に対する警戒感が広がっていることも金買いにつながった。
★米国債券市場は上昇:リスク回避の買い強まる
米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.21%で終了した。欧州経済の先行き不透明感や米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが強まった。
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