FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦の激化と長期化懸念を嫌気

NYダウ先物市場は221.36ドル安の25126.41、ナスダックは60.04ポイント安の7547.31で取引を終了した。NYダウは2月11日以来約3カ月半ぶりの安値、ナスダックは3月8日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。貿易摩擦問題を巡り、中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることが報じられ、米中貿易摩擦の激化と長期化への懸念や財政規律を巡るEUとイタリアの対立懸念などを背景に売りが先行した。債券市場で長短金利の逆転(逆イールド)がさらに進み、経済の先行き不透明感が一段と強まったことも相場の重しとなった。ダウ平均の下げ幅は一時400ドルを超えた。VIX指数は17.50から17.90へ上昇した

 

NY外国為替市場:リスク回避の中ドルが底堅い展開

ドル/円は、米国株安に伴うクロス円の下落につれた売りが出たほか、米長期金利の低下に伴う売りが先行し一時109.19円付近まで値を下げた。ただ、対ユーロなどでのドル買いが相場の支えとなったため下値は堅かった。米7年債入札が『低調』と受け止められ、米長期金利が低下幅を縮小すると円売り・ドル買いが優勢になった。前日の高値109.63円を上抜けて一時109.69円まで上値を伸ばした。なお、トランプ米政権のロシア疑惑で捜査を指揮したモラー特別検察官はこの日、現職大統領を起訴できないという司法省の指針に言及し、『トランプ大統領を起訴することは捜査チームの選択肢ではなかった』との声明を発表した。同時に特別検察官からの辞任も表明した。

ユーロ・ドルは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は本日、イタリアに対して財政規律違反を巡る『過剰財政赤字是正手続き』の最初のステップに着手することを確認し、月末までに自国の財政悪化について説明を求める書簡を送付した。財政規律を巡るEUとイタリアの対立懸念などを背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1125ドルと日通し安値を付けた。なお、欧州委は6月5日にイタリアの財政スタンスを再評価する。

 

NY原油先物市場は小幅安:米中貿易摩擦激化懸念を嫌気

NY原油先物市場は56.88ドル-59.14ドルのレンジ相場となった。米中貿易戦争が激化していることで経済成長が停滞し、エネルギー需要の落ち込みが予想されることで原油先物価格は上値が重かった。またドルが欧州通貨を中心に堅調に推移したことで、ドルで取引される原油先物に割高感が出ていることも上値を圧迫した。先週閉鎖されていた米国内の一部パイプラインが再開される見込みとなったことから、在庫増の思惑は後退し、原油先物は下げ幅を縮小した。

 

NY金先物市場は反発:ドル高が上値を抑える展開

NY金先物市場は1278.40-1285.20ドルのレンジ相場となった。株式市場が軟調に推移し、市場がリスクオフ相場に傾いていることもあり、金先物価格は堅調に推移した。もっとも欧州通貨に対しドルが強含んだことで、ドルで取引される金価格には割高感が出ていることで上値も限定的だった。 

 

米国債券市場は横ばい:7年債入札低調で利食い売り強まる

米国債市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ2.26%で終了した。欧州経済の先行き不透明感や米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが先行した。利回りは一時2.2081%前後と2017年9月中旬以来約1年8カ月ぶりの低水準を付ける場面があった。ただ、米7年債入札が『低調』と受け止められたことをきっかけに、利食い売りなどが強まると値を消した。 

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