FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米決算発表控え様子見ムード

NYダウは14.11ドル安の26143.05、ナスダックは16.88ポイント安の7947.36で取引を終了した。米3月生産者物価指数が予想を上振れたほか、週間新規失業保険申請件数が49年ぶりの低水準となり、買いが先行した。しかし、明日12日からJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが先陣を切る形で米大手企業の決算発表が本格化する。市場では様子見ムードが広がり、大きな方向感は出なかった。個別ではユナイテッドヘルス(4.31%安)やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(1.96%安)などヘルスケア銘柄が売られた半面、ボーイング(1.43%高)やウォルマート(1.20%高)などが買われた。ナスダックは、前日に約半年ぶりの高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。 VIX指数は13.30から13.02へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、3月米卸売物価指数(PPI)が予想より強い内容だったうえ、前週分の米新規失業保険申請件数が約50年ぶりの低水準を付けて米労働市場の堅調さを示すと全般ドル買いが先行した。米長期金利が2.5077%前後まで上昇したこともドルの追い風となり、前日の高値111.28円を上抜けて一時111.69円まで上値を伸ばした。
 なお、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長は『労働市場は堅調』『米経済は2018年の堅調なペースから減速へ』などと述べたほか、ウィリアムズ米NY連銀総裁は『FRBは辛抱強さを継続すべき』『金融政策調整の余地ある』などと発言したが相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、米労働市場の底堅さを示す指標や強いインフレ指標を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行した。米金利上昇に伴う売りも出て一時1.1250ドルと日通し安値を付けた。ただ、ユーロ豪ドルやユーロNZドルなど一部ユーロクロスが上昇した影響で、下落スピードは緩やかだった。

 

NY原油先物市場は反落:原油価格上昇でOPEC加盟国は増産の可能性も

NY原油先物市場は63.31-64.39ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)筋の話として、ベネズエラとイランからの供給が更に減少し、原油価格の上昇が続いた場合は増産の可能性が伝わった。その上値の水準は85ドルと高いものだったが、約5カ月ぶりの高値圏で買い持ちが膨らんでいたこともあり、ポジション調整の売り戻しが強まった。

 

NY金先物市場は反落:目先のリスク後退により売り優勢

NY金先物市場は1292.90-1313.10ドルのレンジ相場となった。臨時EU首脳会議では10月末までの英・離脱期限延長を決定し、『合意なき離脱』への警戒感が薄まった。米中通商協議の合意期待も高まるなど、目先のリスク後退により安全資産とされる金に売り戻しが入った。時間外から売りが先行した金先物は、NY午後でも軟調なまま安値圏で引けている。 1300ドル割れでストップロスの売りが執行されたとの見方もあった。

 

米国債券市場は反落:良好な経済指標受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比+0.03%高い(価格は下落)2.49%で終了した。米3月生産者物価指数(PPI)が市場予想より強い内容だったうえ、前週分の米新規失業保険申請件数が約50年ぶりの低水準を付けたことを受け、米国債には売りが強まった。米30年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重石となった。

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