FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米景気減速の過度な懸念が後退

NYダウは40.36ドル高の26424.99、ナスダックは46.91ポイント高の7938.69で取引が終了した。3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったほか、前月の数値が上方修正されたことを受け、景気減速に対する過度の懸念が後退した。また、物価上昇の先行指標として注目される平均時給が予想を下回り、『FRBが当面利上げを休止する方針を変更しない』との見方が広がり買い安心感につながった。さらに、原油価格が上昇が好感されたほか、習近平国家主席が米中交渉の早期解決を希望していることが明らかになったことも買い材料となった。半面、半年ぶり高値にあるうえ週末を控えて、利食いが出やすく上値は重かった。ボーイングが軟調に推移したことも指数の重しとなり、NYダウはマイナス圏に沈む場面があった。VIX指数は13.57から12.82へ低下した。

 

NY外国為替市場:方向感に欠け狭いレンジ内での展開

ドル/円は、米労働省が発表した3月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万6000人増と市場予想の18万人増を上回った一方、平均時給が前月比0.1%上昇/前年比3.2%上昇と市場予想の前月比0.3%上昇/前年比3.4%上昇を下回った。強弱入り混じる内容となったため、大きな方向感は出なかった。今日の安値は米雇用統計発表直後に付けた111.51円、高値は111.82円で値幅は小さかった。
 トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に『FRBは量的引き締めを停止し、利下げするべき』『米金融当局は量的緩和にシフトすべき』などと述べたが、相場の反応は限定的だった。 

ユーロ/ドルは、米雇用統計発表直後にドル売りが一時的に強まったタイミングで1.1246ドルと日通し高値を付けたが、すぐに失速した。ポンド/ドルの下落につれた売りが徐々に優勢となり、一時1.1210ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は3日ぶり反発:リビアの軍事的緊張感の高まりで買い優勢

NY原油先物市場は、米エネルギー情報局(EIA)在庫統計で原油在庫が予想以上の積み増しとなり、昨日まで2日続落したものの小幅安にとどまるなど下値の堅さが確認されたことで買いが入った。また、米中通商協議の進展に楽観的な見方が強まっていることや、リビアの軍事的緊張感の高まりで原油の供給に懸念が広がったことも原油高に拍車をかけて、約5カ月ぶりの高値を更新した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比17基増加の831基となった。

 

NY金先物市場は小反発:米FRB利上げ休止方針に変更なしとの思惑

NY金先物市場は、注目の米雇用統計が強弱まちまちの結果となり、手がかりとはならなかった。発表直後は非農業部門雇用者数変化が予想以上に伸びたことが材料視され、金は売りで反応したものの、平均時給の伸びが鈍かったこともあり、買い戻された。米FRBの利上げ休止方針は変わらないとの見方で、プラス圏に浮上して取引を終えた。 

 

米国債券市場は続伸:平均時給が予想下回ったことが買い材料

米国債券市場は長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.49%で終了した。3月米雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を上回ったものの、物価上昇の先行指標として注目される平均時給は予想を下回った。米FRBが当面利上げを休止する方針を変更しないとの見方が広がり、長期債が買われた。 

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