FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中通商協議への期待買い

NYダウは39.00ドル高の26218.13、ナスダックは46.86ポイント高の7895.55で取引を終了した。ワシントンで今日から開催される米中の閣僚級貿易協議について『最終合意が近い』との一部報道を手掛かりに買いが優勢となった。米長期金利が上昇し、利ざや拡大の期待からゴールドマン・サックス(1.70%高)の上昇が目立った。ホーム・デポ(2.21%高)やインテル(2.06%高)も堅調だった。一方で、3月ADP雇用統計が1年半ぶりの低調な伸びとなったほか、ISM非製造業景況指数も予想を下振れ、上値の重い展開となった。VIX指数は13.36から13.74へ上昇した。

 

NY外国為替市場:方向性を欠いた展開に終始

ドル/円は、3月ADP全米雇用報告や3月米ISM非製造業指数が予想より弱い内容だったことが分かると徐々に弱含み一時111.32円付近まで値を下げた。ただ、米中貿易協議の進展が期待され、米国株が底堅く推移するとドル円にも買い戻しが入ったため下値は限定的だった。なお、NY時間の高値は111.54円前後で値幅は21銭程度と小さかった。市場では『200日移動平均が位置する111.48円睨みの展開が続いている』との指摘があった。

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された3月ユーロ圏サービス部門PMI改定値や2月ユーロ圏小売売上高が予想より強い内容となったことを手掛かりに、一時1.1255ドルと日通し高値を付けた。米長期金利の上昇に伴う売りが出て1.1225ドル付近まで下げる場面もあったが、下押しは限定的だった。

 

NY原油先物市場は小反落:原油在庫増で利益確定売り優勢

NY原油先物市場は62.05-62.99ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)在庫統計で、原油在庫が723.8万バレルの積み増しと市場予想を大幅に上回り、原油相場は売りで反応するも、原油の供給減少懸念は根強く、下値は限られた。ガソリンとディスティレート(留出油)在庫が予想以上に減少したのも下支えとなった。米国株式は底堅い動きを見せており、石油輸出国機構(OPEC)による減産体制は維持されているものの、この日の取引では利益確定を狙った売りがやや優勢となった。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:リスク回避ムード後退が上値を圧迫

NY金先物市場は1292.70-1299.00ドルのレンジ相場となった。米国株が底堅い動きで、米長期金利が上昇するなど、投資家のリスク回避ムードが弱まっていることや、米中通商協議への楽観ムードが金先物の上値を圧迫したが、世界的先行き景気減速懸念やFRBのハト派姿勢の高まりを背景とした中長期的な強気見方は変わらず、下値は堅い。 市場では、1300ドル近辺には戻り売りの興味が依然として残されているとの声もある。

 

米国債券市場は反落:米通商協議交渉合意期待で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)2.52%で終了した。米中通商協議交渉が合意に近づいているとの期待が高まり、安全資産とされる米国債に売りが出た。

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