FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中傍貿易協議の進展を好感した買い

NYダウは211.22ドル高の25928.68、ナスダックは60.16ポイント高の7729.32で取引を終了した。米中両国は28-29日、北京で閣僚級貿易協議を開催。米ホワイトハウスは声明で『今後の重要な段取りなどについて率直かつ建設的な議論を行い進展が見られた』と発表した。一方、中国国営の新華社通信も『新たな進展があった』と報じた。米中貿易協議の進展が好感される中、キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、指数は一時230ドル超上げた。なお、両政府は4月3日からワシントンで交渉を再開する予定で、進展への期待が高まっている。 VIX指数は14.43から13.71へ低下した。

 

NY外国為替市場:ポンド中心相場で方向感を欠いたレンジ相場

ドル/円は、米中貿易協議の進展が好感されて、米国株相場が続伸すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。米長期金利の上昇に伴う買いも入り、一時110.95円と日通し高値を付けた。もっとも、NY市場に限れば安値は110.64円付近で値幅は31銭程度と小さかった。市場では『四半期末を控えた実需筋の売買が中心で、狭いレンジ取引となった』との指摘があった。
1月米個人消費支出(PCE)や2月米個人所得、1月米PCEコアデフレーターは予想より弱い結果となったほか、3月米シカゴ購買部協会景気指数は予想を下回った。半面、2月米新築住宅販売件数や3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値は予想より強い内容となった。強弱入り混じる内容だったこともあって、相場の反応は限られた。

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1210ドルと8日以来の安値を付けたあとは、週末を控えたポジション調整目的の買いが入り1.1247ドルと日通し高値を付けた。ただ、英重要イベントに伴うポンド絡みの取引が中心となったため、ユーロドル自体は大きな方向感が出なかった。

 

NY原油先物市場は反発:原油の供給過剰感が軽減した買い優勢

NY原油先物市場は、米国による経済制裁を受けたイランやベネズエラからの供給減少や、米国産原油の生産減少で需給の圧迫感が軽減した。ロシアが協調減産の延長を従来想定されていた年末ではなく、9月までの延長にとどめることが懸念されていたが、これを同国高官が否定したことも支援要因となった。 一時60.73ドルと年初来高値を更新し、昨年11月12日以来の高値水準で推移した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比8基減少の816基となった。

 

NY金先物市場は反発:英国の合意なき離脱懸念広がり買い優勢

NY金先物市場は1291.30-1304.60ドルのレンジ相場となった。米インフレ率の鈍化を意識した買いが入った。また、メイ英首相による欧州連合(EU)離脱合意案が3度目の採決でも否決されたほか、EU高官からは、合意なき離脱への言及が相次いだ。警戒感から安全資産とされる金の買い戻し優勢で週末の取引が進行した。 ただ、英国の政治不安を嫌気してユーロ安・ドル高の相場展開に上げ幅は縮小し、節目となる1300ドルを下回って終了した。

 

米国債券市場は続落:米国株高を背景に売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小幅続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.40%で終了した。米国株相場の上昇で投資家心理が改善し、安全資産とされる米国債に売りが出た。なお、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長は『将来のどこかの時点で利上げ必要になるとみている』と述べた一方、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は『FRBは直ちに0.50%の利下げをするべき』との考えを示した。 

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