FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米景気の減速懸念から上値の重い展開

NYダウは103.88ドル安の25439.39、ナスダックは6.58ポイント高の7426.95で取引を終了した。12月米小売売上高が軟調だったことが分かると米景気の減速が懸念され売りが優勢となり一時230ドル超下げた。米中貿易協議の進展期待から買いが入り下げ渋る場面もあったが、『米中協議はあまり進展していない』との一部報道が伝わると再び上値が重くなった。もっとも、ブレイナード米FRB理事の『バランスシートの正常化は今年中に終わらせるべきだろう』とのハト派的な発言が好感されて、下値も限られた。 また、トランプ大統領が与野党が合意した予算案に署名する一方で、非常事態宣言にも署名し、早ければ来年前半にもメキシコ国境の壁建設予算を獲得する方針が伝えられた。VIX指数は15.65から16.22へ上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米経済指標受けドル/円失速

ドル/円は、12月米小売売上高が予想を下回り、約9年ぶりの大幅な減少となったことが分かると、米景気の減速懸念が強まり円買い・ドル売りが先行した。また、1月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことも嫌気されて、一時110.50円まで円高・ドル安が進んだ。前日の安値110.43円が目先サポートとして意識されると買い戻しが入り、110.82円付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍かった。関係者の話として「米中通商交渉は改革の要求を巡り依然として隔たりが大きい」との報道が伝わったほか、トランプ米大統領の側近の話として「大統領が現時点で共和・民主両党が合意した予算案に署名するがどうか確信が持てない」との報道が伝わり円買い・ドル売りを誘った。一時110.43円と日通し安値を更新した。 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の10-12月期独国内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことで一時1.1250ドルの日通し安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると買い戻しが進んだ。低調な米経済指標が相次ぎ、米長期金利が低下したため全般ドル売りが優勢となり、一時1.1310ドルと日通し高値を付けた。その後の下押しも1.1265ドル付近にとどまり、一部通信社が『米中協議はあまり進展していない』と伝えると再び1.13ドル台に乗せる場面があった。 

 

NY原油先物市場は続伸:産油国による自発的な減産が引き続き買い材料

NY原油先物市場は一時54.68ドルまで買われた。小売売上高など弱い米経済指標を受け、消費低迷への懸念からエネルギー需要の後退も連想されて、原油先物が前日比マイナスへ転じる場面もあった。しかし、小売悪化から下落が先行していた米国株が下げ渋ると、原油相場も持ち直した。OPECの主要産油国、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)による自発的な減産を好感した買い意欲も根強い。

 

NY金先物市場は反落:低調な米経済指標受け米長期金利低下を好感

NY金先物市場は一時1304.70ドルまで売られた。米国による対中関税の引き上げ先延ばし観測を受け、米中関係改善への期待が高まった。リスク回避資産としての金への需要が後退した。ただ、弱い経済指標が米国株の上値を抑えると、ややリスク回避傾向となり金は下げ渋った。 

 

米国債券市場は反発:低調な米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.65%で終了した。12月米小売売上高など、この日発表された米経済指標が軒並み低調となったことから、米景気の減速が懸念されて安全資産とされる債券買いが優勢となった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ