FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易協議の不透明感から売り優勢

NYダウは22.38ドル安の24553.24、ナスダックは47.69ポイント高の7073.46で取引を終了した。ロス米商務長官がCNBCテレビのインタビューで、中国との貿易問題について『解決するまでかなり遠い』などと発言した。これを受けて、米中貿易協議の行方に不透明感が広がり、相場の重しとなった。ファイザーやメルク、コカ・コーラなどディフェンシブ銘柄から資金が流出した。 また、連邦政府機関閉鎖の解除に向けて与野党がそれぞれ起草した法案が上院で否決されるなど、政治的な不透明感から上値の重い展開となった。VIX指数は19.52から18.89へ低下した。

 

NY外国為替市場:ユーロ圏の景気減速感強くユーロ売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された1月ユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回り5年半ぶりの低水準を付けたことが分かると、ユーロ圏の景気減速懸念が高まりユーロ売りが先行した。ドラギECB総裁が理事会後の記者会見で『地政学要因や保護主義の脅威、新興国市場の脆弱性、金融市場のボラティリティに関連する根強い先行き不透明感により、ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクは下向きに傾いた』と述べるとユーロ売りが加速し、一時1.1307ドルまで値を下げた。
 その後、ロス米商務長官が『米中間の貿易問題解決には程遠い』との見解を示すとNYダウ先物が失速し米長期金利が低下したため、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり1.1381ドル付近まで買い戻された。ただ、戻りは鈍かった。クドロー国家経済会議(NEC)委員長が『トランプ米大統領は中国との貿易協議について楽観』『1月雇用統計は著しい伸びが示される可能性』と発言したことでユーロ売り・ドル買いが再び強まり、一時1.1290ドルと昨年12月14日以来の安値を付けた。独ハンデルスブラット紙が『ドイツ政府は今年の経済成長見通しを1.8%から1.0%に下方修正』と報じたことも相場の重しとなった。 

ドル/円は、一時109.80円と日通し高値を付けたものの、前日の高値110.00円の上抜けに失敗すると失速した。ロス米商務長官の発言を受けて円買い・ドル売りが強まり、一時109.42円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値109.33円が目先サポートとして意識されると買い戻される展開になった。クドローNEC委員長の発言で全般ドル買い戻しが進むと、109.74円付近まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は反発:原油の供給減少の思惑買い優勢

NY原油先物市場は一時53.47ドルまで買われた。トランプ米大統領が現在のベネズエラのマドゥロ政権を認めずのグアイド野党党首を認めた。マドゥロ現政権の力を弱めるためにベネズエラ産の原油に経済制裁が発動されるのではないかという観測もあり、原油の供給減少の可能性が出てきたことで原油先物価格は強含んだ。また、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫の積み増し量が増えたことで、一時原油先物が売られる局面もあったが影響は限られた。 

 

NY金先物市場は反落:ユーロ安を嫌気した売り

NY金先物市場は一時1275.30ドルまで売られた。金先物価格は為替市場の動きに翻弄された。ドラギECB総裁の会見でユーロ売り・ドル買いになると、ドルで取引される金価格は割高感を嫌気され売りが出た。結果的には否決されたが、米上院で民主党主導の予算案可決への思惑で安全逃避の買いは縮小した。

 

米国債券市場は上昇:安全資産としての債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債は前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.71%で終了した。米中貿易協議を巡る警戒感などから、安全資産とされる米国債に買いが入った。欧州債券の買いにつれた面もあった。

 

 

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