FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:年金の買い支えで反転したとの見方

NYダウは260.37ドル高の23138.82、ナスダックは25.14ポイント高の6579.49で取引を終了した。貿易摩擦をめぐる米中間の対立や米政府機関閉鎖の長期化懸念などが投資家心理の悪化につながり、幅広い銘柄に売りが先行した。昨日はNYダウが過去最大の上げ幅となるなど、株価上昇を受けた利益確定の動きも広がった。原油先物相場の大幅反落も圧迫材料となり、一時610ドル超下げた。ただ、売り一巡後は一転買い戻しが優勢に。市場では『年金の買いが断続的に入った』との声が聞かれ、取引終了までの約2時間でこの日の安値からおよそ870ドル近く上昇し、ほぼ高値引けとなった。VIX指数は 36.07から29.96へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株の急速なプラス圏回復でドル買い優勢に

ドル/円は、米長期金利の低下などをながめ円買い・ドル売りが先行した。米大手民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した12月の米消費者信頼感指数が128.1となり、市場予想の133.7を下回ったことも相場の重しとなり、一時110.46円と日通し安値を付けた。NYダウが一時610ドル超下落し、日経平均先物が520円下げたことも円買い・ドル売りを誘った。ただ、売りが一巡すると一転買い戻しが優勢になった。NYダウが急速にプラス圏を回復し260ドル超上昇するとドル円にもショートカバーが入った。米長期金利が低下幅を縮めたことも相場の下支え要因となり、111.11円付近まで値を上げた。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下や12月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことを理由にユーロ買い・ドル売りが先行した。ユーロクロスの上昇につれた買いも入り、前日の高値1.1420ドルを上抜けて一時1.1454ドルまで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は反落:前日の大幅上げのポジション調整売り優勢

NY原油先物市場は一時44.37ドルまで売られた。昨日の大幅上昇の後でもあり、時間外からポジション調整の売りが先行した。軟調となった欧米株式相場などリスク回避地合いが強まり、リスク資産とされる原油も売られやすかった。主要産油国による減産への期待はあるものの、米国の原油供給は減少しない可能性があること、世界経済の減速懸念は消えていないことなどは原油先物の上昇を抑える要因となった。

 

NY金先物市場は続伸:米株安・米長期金利低下でリスク回避の金買い

NY金先物市場は一時1281.60ドルまで買われた。昨日から一転し米株は売られ、米債券が買われるなどのリスク回避ムードの高まりに、安全資産とされる金には買いが集まった。ドルがユーロに対して弱含んだこともドル建ての金先物には支持要因となった。 ただ、米国株式は急反転したことで、時間外取引で金先物の上げ幅は縮小した。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の債券買いが先行

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.76%で終了した。貿易摩擦をめぐる米中間の対立や米政府機関閉鎖の長期化懸念、12月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことなどを背景に、安全資産とされる米国債に買いが入った。ただ、大幅下落していた米国株が持ち直すと債券に売りが出て上げ幅を縮めた。なお、この日実施された7年債入札には底堅い需要が確認された。 

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