FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:リスクオフ継続で下げ止まらず

NYダウは653.17ドル安の21792.20、ナスダックは140.08ポイント安の6192.92で取引を終了した。米政府機関の一部閉鎖が長引く恐れがあるとの懸念から売りが優勢となった。市場参加者の多くがクリスマス休暇に入っていることもあって商いが薄く、少額の取引でも値が振れやすかった。この日はクリスマスの前日で短縮取引だった。
 米財務省は23日、ムニューシン財務長官が米金融大手6社の首脳と電話会談し『融資のための潤沢な流動性を確保していることを確認した』との声明を発表した。24日には米証券取引委員会(SEC)や米連邦準備理事会(FRB)のメンバーを含む金融市場作業部会との会合を開いた。株価の大幅下落が続く中で市場の不安を和らげる狙いがあったとされるが、同作業部会は金融危機後の09年に招集されたこともあり、市場では『逆に投資家の警戒感を強めた』との声があった。VIX指数は 30.11から36.07へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル売り優勢

ドル/円は、トランプ米大統領がパウエル米FRB議長解任の意向を示しているとの一部報道や、米政府機関の一部閉鎖が長引く恐れがあるとの懸念から米国株相場が大幅に下落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。週明け早朝取引で付けた110.82円を下抜けて一時110.24円と8月22日以来約4カ月ぶりの安値を付けた。 その後、110.65円付近まで下げ渋る場面もあったが、トランプ米大統領がツイッターで『経済が抱える唯一の問題がFRB』と明言し、『FRBは市場感覚がない。貿易戦争や強いドル、壁を巡る政府機関閉鎖について理解していない』などと述べたと伝わると再び弱含んだ。 ユーロ/ドルは、FRB議長解任論議や米政府機関の一部閉鎖などが嫌気されて米国株が大幅下落したうえ、米長期金利が低下したためユーロ買い・ドル売りが優勢になり一時1.1439ドルと日通し高値を付けた。ただ、ユーロ円やユーロスイスフランの下落につれた売りも出たため、上値も限られた。

 

NY原油先物市場は大幅続落:世界経済の停滞懸念を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は一時42.36ドルまで売られた。世界経済の停滞懸念を背景とした原油需要減速への警戒感が高まり、原油相場は売りが優勢となった。主要産油国による減産への期待はあるものの、米国の原油供給は減少しない可能性があるとの思惑が浮上しており、原油先物の上値は一段と重くなった。

 

NY金先物市場は反発:米国株安で安全回避の動きが強まる

NY金先物市場は一時1273.90ドルまで買われた。下げが止まらない米国株や買い優勢の米国債などリスク回避の動き強まる中で、安全資産の金に資金が流入した。為替市場でドルが弱含んだことも、ドル建ての金先物を下支えした。また、米政府機関閉鎖を受けて安全逃避の買いが広がった。

 

米国債券市場は続伸:米国株の大幅下落でリスク回避の債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.74%で終了した。一時2.7294%前後と4月2日以来の低水準を付けた。米国株が大幅に下落したため安全資産とされる債券に買いが集まった。ムニューシン米財務長官は23日、金融大手首脳と電話会談し流動性などに問題がないことを確認したものの、市場では『かえって金融市場が混乱するとのリスクを意識させた』との指摘があり債券会を誘った。

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