FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米景気の鈍化が意識され大幅下落

NYダウは558.72ドル安の24388.95、ナスダックは219.01ポイント安の6969.25で終了した。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非OPEC加盟国が減産で合意し、原油価格の上昇に伴い買いが先行した。しかし、米中貿易摩擦の激化懸念や、米11月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下振れ、平均時給の伸びも前月比横ばいとなり、米景気の後退懸念が強まった。また、1月以降の追加利上げ観測が後退する中、改めて米景気の鈍化が意識され、大幅下落となった。VIX指数は21.19から23.23へ上昇した。

 

NY外国為替市場:不調な雇用統計受け米景気減速懸念からドル売り優勢

ドル/円は、11月米雇用統計を控えてしばらくは112円台後半での小動きが続いていた。112.50円や113.00円に観測されていたオプションの影響で動きづらい面もあった。米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比15万5000人増と予想の20万人増を下回ったほか、平均時給が前月比で0.2%上昇と予想の0.3%上昇を下回った。指標発表直後は112.62円付近まで売られたものの、NYダウ先物が持ち直し、米長期金利が上昇に転じると買い戻しが入り112.91円付近まで持ち直した。ただ、一時は150ドル近く上昇した現物のNYダウが失速し660ドル超下落したこともあり、ドル円の戻りは鈍かった。米長期金利が再び低下したことも相場の重石となり、一時112.56円と日通し安値を付けた。ユーロ/ドルは、予想を下回る米雇用統計を受けてユーロ買い・ドル売りがじわりと強まった。米金利低下や米株安に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1423ドルまで値を上げた。ただ、週末の商いの薄いなかで取引終了にかけて失速した。独与党・キリスト教民主同盟(CDU)は、この日の党大会でメルケル党首の後任に側近のアンネグレート・クランプカレンバウアー氏を選出した。同氏は基本的にメルケル氏の路線を継承するとみられており、相場の反応は限定的だった。 

 

NY原油先物市場は反発:減産合意を好感した買い優勢

NY原油先物市場は、OPEC加盟国と非加盟国は、来年1月から6カ月間・日量120万バレルの減産で合意した。100万バレル程度の減産幅を予想していた向きが多かっただけに、発表後の原油相場には買いが集まり、WTIの1月限は51ドル台から54.22ドルまで大きく上昇した。その後しばらくは高値圏での値動きが続いたが、米株が下げ幅を拡大すると原油先物もポジション調整の売りが強まり、52ドル台に水準を下げて引けた。

 

NY金先物市場は続伸:リスク回避の金買い加速

NY金先物市場は、弱い11月米雇用統計を受けて為替相場がドル安に振れ、ドル建ての金先物は買いが先行した。米国金融市場は債券買い・株売りとリスク回避の動きの中、安全資産の金は地合い良く推移した。また、来年の利上げペースが減速するとの見方も買い材料となった。ほぼ高値圏で引け、その後の時間外取引でも上値を伸ばした。

 

米国債券市場は続伸:来年の米利上げペースの減速観測を好感

米国債券市場で長期ゾーンは6日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.05%低い(価格は上昇)2.84%で終了した。米中貿易摩擦や米景気減速への懸念を背景に安全資産とされる債券に買いが集まった。米国株の下落に伴う買いも入り、利回りはこの日の最低水準で取引を終えた。市場では『FRB高官から利上げに慎重な発言が増えており、債券が買われやすくなっている』との指摘があった。 

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