FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:VIX指数が20超えでリスク回避の売り

NYダウは395.78ドル安の25017.44となり、10月30日以来約3週間ぶりの安値となった。一方、ナスダックは219.40ポイント安の7028.48となり、4月25日以来約7ヵ月ぶりの安値で取引を終了した。米アップルの業績見通しに懸念が広がっていることに加えて、18日閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議をきっかけに米中貿易摩擦への懸念が高まった。市場では『米株のVIXが20を再び超えたことで、リスク回避の売りが出た』との指摘もあり、下げ幅は一時510ドルを超えた。VIX指数は18.14から20.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米住宅指標受けドル売り優勢

ドル/円は、一時112.87円付近まで値を上げたが、週明け早朝の取引で付けた日通し高値112.90円がレジスタンスとして意識されると失速した。11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が60と予想の67を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが優勢となった。NYダウが一時510ドル超下落し、米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、一時112.39円と10月30日以来の安値を付けた。なお、11月NAHB住宅市場指数は約4年ぶりの大幅低下となった。住宅ローン金利が8年ぶりの高水準となり、需要を抑制した。ユーロ/ドルは、新規材料難から様子見ムードが広がり、しばらくは1.14ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、低調な米住宅指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが優勢となった。ユーロクロスの上昇につれた買いも入り、一時1.1464ドルと日通し高値を付けた。もっとも、買いが一巡すると1.14ドル台半ばでのもみ合いに終始した。トリア伊財務相は来年度予算案について『欧州委員会との話し合いは続いているが、政府として予算案を修正する意向はない』と明言した。 

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫を警戒した買い

NY原油市場は、55.08ドルまで下落後、57.24ドルまで上昇した。ロシアが、『産油国は原油減産を決める前に今後数週間の市場動向を注する必要がある』との見解を示したことで減産思惑が後退し売りが先行した。その後、国際エネルギー機関(IEA)がサウジアラビアの増産余力は依然として低いと指摘したことをきっかけに、需給ひっ迫を警戒した買い戻しの動きが広がったとみられ、上昇に転じた。

 

NY金先物市場は続伸:米国株安とドル安で金買い優勢

NY金先物市場は、1219.80ドルまで下落後、1225.50ドルまで上昇した。NYダウが先週末比500ドルを超える下落となるなど、米国株が大幅安、米長期金利の低下を受けたドル安が、ドル建て換算の金価格を押し上げた。株安よるリスク回避も、安全資産としての金需要を強めた。ただ、ウィリアムNY連銀総裁のタカ派的な発言が伝わると、上げ渋る展開となった。

 

米国債券市場は横ばい:引けにかけ持ち高調整の売り

米国債券市場で長期ゾーンは横ばい。米10年物国債利回りは前営業日と同じ3.06%で終了した。11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を大幅に下回る弱い数字となったことで債券買いが入った。しかし、取引終了にかけては持ち高調整の売りが出て方向感を失った。
 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ