FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:売り持ちの手仕舞いや短期的な戻りを期待した買い

NYダウは197.40ドル高の31019.82ドル、ナスダックは46.37ポイント高の11494.78ポイントで取引を終了した。連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げを織り込む長期金利の上昇を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。バイデン大統領がパンデミック終了を宣言したほか、中国の成都市での新型コロナ抑制の都市封鎖が解除される方針がプラス材料となり、上昇に転じた。引けにかけて、FOMCを控え大幅利上げは織り込み済みとの見方が強まったほか、売り持ち手仕舞の買戻しも巻き込み、上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は26.30から25.76へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇幅縮小がドルの重しに

ドル/円は、米10年債利回りが一時3.5158%前後と2011年以来約11年ぶりの高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行し、一時143.64円と日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値143.69円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが3.45%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、143.15円付近まで下押しした。9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が46と予想の47を下回ったことも相場の重荷となった。なお、20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではインフレ抑制に向け、3会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げが見込まれている。また、同時に公表される政策金利見通し(ドット・チャート)は前回6月に比べて大幅に引き上げられる見通しとなっている。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時0.9966ドルと日通し安値を付けたものの、英国市場が休場で取引参加者が減少していることもあって、積極的に下値を探る展開にはならなかった。NY市場に入ると、米長期金利が上昇幅を縮めたことなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進行した。FOMCなど重要イベントを控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0028ドル付近まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は上昇:需要鈍化への警戒感後退から買い戻し

NY原油先物市場は81.73ドル-85.88ドルのレンジ相場となった。NY序盤にかけては売り優勢となり、82ドル前半まで大幅下落した。主要国の積極的な金融引き締めによる景気減速への懸念が重しとなった。もっとも一巡後は買い戻しが強まった。値ごろ感からの買いや、冬に向けた供給ひっ迫懸念が広まりつつあった。中国四川省の省都・成都市が新型コロナのロックダウンを解除したことも、需要鈍化への警戒感を緩めるとして上昇局面の買い材料とされた。アジア市場の序盤に85.88ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて81.73ドルまで売られたが、米国株高を受けて通常取引終了後の時間外取引では85ドル台を回復した。 

 

NY金先物市場は反落:ポジション調整的な売りが入る

NY金先物市場は1667.60-1688.80ドルのレンジ相場となった。米・中長期金利の上昇基調を受け、金利を生まない金の上値は重いままだった。為替相場でドル売りユーロ買い戻しとなった場面では、割安感が生じたドル建ての金も下値を切り上げたが、前週末の終値あたりでは伸び悩んだ。アジア市場で1688.80ドルから1667.60ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1680ドル台を回復。ポジション調整的な売りが観測されたが、ユーロ安は一服したことが金先物相場を下支えした。通常取引終了後の時間外取引では主に1680ドルをやや上回る水準で推移し、やや底堅い動きを見せた。

 

米国債券市場は下落:米FRBの金融引き締めの長期化観測から売り優勢

米国債市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)3.92%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.49%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まる中、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.5158%前後と2011年以来約11年ぶりの高水準を付けた。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時3.9655%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。 

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