FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:大幅下落の反動の買いがやや優勢

NYダウは30.12ドル高の31135.09ドル、ナスダックは86.11ポイント高の11719.68ポイントで取引を終了した。前日の大幅下落の反動で買われたほか、8月生産者物価指数(PPI)で若干改善が見られたため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速懸念が緩和し買戻しが先行し、寄り付き後は上昇した。しかし、FRBの大幅利上げ計画は変わらずとの見方から長期金利が続伸すると再び売りに転じ、一時210ドル超下落する場面があった。引けにかけ、金利の上昇が一段落するとハイテク株の買いが相場を支え、主要株式指数はプラス圏を回復し終了した。VIX指数は27.27から26.16へ低下した。

 

NY外国為替市場:政府・日銀による為替介入への警戒感強まる

ドル/円は、東京時間に日銀が銀行の為替ディーラーなどに相場水準を尋ねる『レートチェック』を実施したと伝わると、政府・日銀が円安を食い止めるために円買い・ドル売り介入を行うのではないかとの警戒感が強まった。NY市場に入っても、為替介入への警戒感から円を買い戻す動きが継続し、一時142.49円と日通し安値を更新した。市場では『さらに円安が進んだ場合に政府・日銀がどのような対応をとるのか注目が集まっている』との声が聞かれた。ただ、一目均衡表転換線が位置する142.43円がサポートとして意識されると143.22円付近まで下げ渋った。前日の8月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まりドル買いが入りやすい面もあった。なお、この日発表の8月米卸売物価指数(PPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を上回ったが、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を挟んだ狭いレンジでの取引に終始した。FRBの積極的な金融引き締めが継続するとの観測からドル買いが入った半面、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げを続けるとの思惑からユーロ買いが入ったため相場は方向感が出なかった。 

 

ポンド/ドルは、一時1.1590ドルと日通し高値を付けた。ユーロ/ポンドも一時0.8626ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。欧州時間発表の8月英CPIは予想を下回ったものの、英中銀(BOE)による大幅な利上げ継続を意識したポンド買いが入りやすかった。

 

NY原油先物市場は反発:需給引き締まり観測から買い

NY原油先物市場は86.18ドル-90.19ドルのレンジ相場となった。エネルギーの需給引き締まり観測を背景に買いが先行した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が244.2万バレルの積み増しと予想以上の増加となったことが嫌気され、一時売りに押されるも底堅い動きとなった。国際エネルギー機関(IEA)の月報では、世界の石油需要が今年の第4四半期に伸びが一時鈍化するものの、中国でコロナ規制が緩和し来年は急回復するとの見通しを示された。アジア市場で86.18ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて90.19ドルまで買われた。米国株式の下げ止まりや需給ひっ迫の可能性は残されていることから、売りは縮小した。通常取引終了後の時間外取引では主に88ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は続落:FRBの積極的な引き締め観測が重し

NY金先物市場は1703.30-1717.30ドルのレンジ相場となった。引き続き前日発表の米8月消費者物価指数(CPI)を背景とした、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な引き締め観測の高まりが金の上値を圧迫し続落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1717.30ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引で1703.30ドルまで値を下げた。

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンは戻りを期待した買い

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)3.78%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.40%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。 

 

 

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