FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:好調な企業決算を受け買い先行

NYダウは377.19ドル高の32151.71ドル、ナスダックは250.18ポイント高の12112.31ポイントで取引を終了した。ドル高が一段落したほか、予想を上回った企業決算を受けた買いが先行し、寄り付き後は上昇した。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強いものの、足もとで米長期金利の動きが落ち着いていることから、投資家心理が改善し株買いを誘った。市場では『このところ下げがきつかったハイテク株中心にショートカバーが強まった』との声が聞かれた。VIX指数は23.61から22.79へ低下した。

 

NY外国為替市場:週末とあってNY中盤以降は142円台半ばでもみ合い

ドル/円は、前日の財務省・日銀・金融庁の3者会合に続き、本日も黒田日銀総裁や鈴木財務相などから円安を強くけん制する発言が相次いだため、アジアや欧州市場では円買い・ドル売りが優勢となったなり一時141.45円と日通し安値を更新した。ただ、積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ドル買いが出やすい地合いに変わりはなく、NY市場に入ると買い戻しが進み、142.81円付近まで持ち直した。NY中盤以降は週末とあって142円台半ばでのもみ合いに終始した。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は『今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げ実施に賛成することに傾いている』と述べたほか、ウォラーFRB理事は『今月のFOMCでは再度の大幅利上げを支持する』と述べ、0.75%利上げを支持することを示唆した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、20-21日のFOMCでは通常の3倍にあたる0.75%の利上げ確率が約90%まで上昇した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場序盤に一時1.0113ドルと日通し高値を付けたものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。ユーロ圏経済の減速懸念が根強い中、ユーロの戻りを売りたい向きは多く、0時30分過ぎには1.0032ドル付近まで下押しした。なお、NY時間には『10月の欧州中央銀行(ECB)理事会では0.75%ではなく0.50%の利上げの可能性が高い』とのリポートや、『ECBは10月初旬にバランスシートの縮小に関する議論を開始することに合意した」とのFT報道が伝わった。 

 

NY原油先物市場は続伸:供給懸念から買い優勢に

NY原油先物市場は82.71ドル-87.20ドルのレンジ相場となった。ロシアによる石油供給の停止、OPEC+による減産発表などを受けて供給懸念から買いが優勢となった。アジア市場の序盤で82.71ドルまで下げたが、まもなく反転した。需給ひっ迫の可能性は残されており、ニューヨーク市場の中盤に87.20ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に86ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は反発:米国株高を意識して上げ幅縮小

NY金先物市場は1719.40-1740.50ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル安が進むと、ドル建て商品である金には割安感が広がって買いが強まった。一方、米中期金利が上昇したため、金利を生まない金にとっては重しとなった。アジア市場の序盤で1719.40ドルまで売られた後、ロンドン市場の序盤にかけて1740.50ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では、米国株高を意識して上昇一服となった。通常取引終了後の時間外取引では1730ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:米金融政策の影響を受けやすい2年債に売り

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)3.56%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.31%で終了した。欧州債相場が上昇したことで米国債にも買いが先行したものの、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測を背景に売りも出やすく引けにかけて上げ幅を縮めた。なお、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは一時3.5731%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。

 

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