FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国市場はレーバーデーで休場

米国株式、NY原油先物、NY金先物、米国債券市場は休場

 

NY外国為替市場:薄商いのなかドルは堅調に推移

ユーロ/ドルは、ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムが主要パイプライン『ノルドストリーム1』を通じたガス供給停止を無期限で延長したことを受けて欧州の景気懸念が強まり、アジア市場では一時0.9878ドルと2002年12月以来約20年ぶりの安値を付けた。ただ、欧米市場に入ると下げ渋る展開に。米国市場がレーバーデーで休場のため、市場参加者が減少し商いは低調だったが、一時0.9944ドル付近まで下げ渋った。そのあとは0.99ドル台前半でのもみ合いに終始した。 

 

ドル/円は、米国市場が休場だったため商いは低調だったが、一時140.66円と日通し高値を付けた。前週末に付けた1998年8月以来約24年ぶりの高値140.80円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだものの、下押しは140.49円付近にとどまった。

 

南アフリカランドは堅調推移した。対ドルでは一時17.1297ランド、対円では8.20円まで値を上げた。プラチナ価格が大幅高となったことを受けて、世界最大の産出量を誇る南アフリカの通貨ランドを買う動きが優勢となった。

 

ノルウェークローネはしっかり。対ユーロでは一時9.8794クローネ、対ドルでは9.9557クローネ、対円では14.12円まで上昇した。石油輸出国機構(OPEC)プラスが日量10万バレルの減産で合意したと伝わると、WTI原油先物価格が一時4%超上昇した。産油国通貨とされるノルウェークローネに買いが集まった。

 

米国の貿易収支改善で過去にはドル高トレンドに移行

米国の貿易収支については、すでに今年6月時点で資源・食糧などの輸出増加もあり、月間の輸出額が過去最高となっている。ネットの赤字は前月比-6.2%減の-796億ドルとなり、3カ月連続での減少へと転じてきた。3月の-1076億ドルをボトムに、底入れとなりつつある。5カ月移動平均ベースでは、コロナ危機が始まった2020年2月以降の赤字急増トレンドに歯止めが掛かってきた。過去実績として米国の貿易赤字急増に歯止めが掛かった2005-2006年や2011-2012年などでは、ドル/円でドルが底入れから反発、ドル高トレンドへと移行した連動実績を有している。

 

天然ガス供給停止でドイツの景気個体懸念高まる

3日間の点検終了後もノルドストリームは再開されず、ロシアからドイツ向けのガス供給が無期限で停止された。ドイツ政府はこうした事態に備え、ガス備蓄の積み増し、代替エネルギー源の確保、LNG陸揚げ港の建設、省エネの取り組みなどを進めてきた。備蓄放出、停止中の火力発電所の再稼働、原子力発電の稼働延長などで、ガス不足分はある程度穴埋め可能とみられるが、寒波による暖房需要の増加や、設備故障などで代替エネルギー供給に支障が出ると、冬場の需要期のガス不足が避けられない。その場合、一般家庭や病院など向けのガス供給を優先する結果、産業向けのガス供給が細り、経済活動に大幅なブレーキが掛かる公算が大きい。配給制が回避されたとしても、更なる物価高騰が景気後退の引き金を引くことになる。景気後退の深度は、配給制が必要になるかどうかに加えて、政策対応で物価高騰による負担増をどれだけ軽減できるかに左右される。ドイツ政府は4日に総額650億ユーロの家計支援策を発表し、景気の下支えが期待できるが、10月からはガス価格上昇による賦課金の導入が予定され、家計負担の増加をどれだけ相殺できるかなど、細かい中身を精査する必要がある。

 

トルコのCPIは24年ぶり高水準

トルコ統計局が5日発表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比80.21%と、24年ぶりの高水準を更新した。予想はやや下回った。トルコ中央銀行は予想外の利下げを実施しており、生活費危機が悪化している。前月比では1.46%になった。ロイターがまとめた市場予想は前月比2.0%、前年比81.22%だった。8月の生産者物価指数(PPI)は前月比2.41%上昇、前年比143.75%上昇した。野党議員やエコノミストからはトルコ統計局のデータの信頼性を疑問視する声が出ており、世論調査ではトルコ人の約半数が実際のインフレ率ははるかに高いと回答している。先週のデータによると、イスタンブールの8月の小売物価は99.9%上昇した。

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