FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:雇用統計の発表を控えNYダウに買い戻しの動き

NYダウは145.99ドル高の31656.42ドル、ナスダックは31.08ポイント安の11785.13ポイントで取引を終了した。先週分新規失業保険申請件数が予想外に前回から減少し労働市場が依然健全である証拠となったほか、8月ISM製造業景況指数も予想を上回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の力強い利上げが続くとの警戒感に売られ、寄り付き後は大きく下落した。中国が四川省成都市の都市封鎖を実施したため世界経済の減速懸念もさらなる売り圧力となり、下げ幅を拡大した。その後、景気後退の回避が可能との楽観的な見方が強まったほか、雇用統計の発表を控えた買戻しが強まり、引けにかけてNYダウは上昇に転じた。長期金利の上昇でハイテク株は引き続き売られ、ナスダック総合指数は終日軟調推移し小幅安で終了した。VIX指数は25.87から25.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標受け米金利上昇に伴いドル買い優勢

ドル/円は、インフレ抑制に向けた積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や8月米ISM製造業景気指数が予想より強い内容だったことが分かると米金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時140.23円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。なお、米10年債利回りは一時3.2932%前後と6月21日以来の高水準を付けた。

 

ユーロ/ドルは、良好な米経済指標が相次いだことを受けて米長期金利が上昇した。全般ドル買いが優勢となり、前日の安値0.9972ドルを下抜けると一時0.9911ドルまで下げ足を速めた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.98と2002年6月以来の高値を付けた。ただ、8月23日に付けた2002年12月以来の安値0.9901ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は3日続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は85.98ドル-89.63ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル高が進んだことを受け、ドル建てで取引される原油相場の割高感が意識された。また、中国四川省の成都でロックダウン(都市封鎖)が導入され、同国の景気減速とエネルギー需要への先行き不安が広がったことも売り材料視された。アジア市場で89.63ドルまで戻したが、世界経済の減速予想を背景に買いは一段と縮小し、米長期金利の上昇やドル高も嫌気され、ニューヨーク市場の後半で85.98ドルまで売られる場面があった。ただ、通常取引終了後の時間外取引では押し目買いが観測されており、主に86ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は5日続落:一時心理的節目となる1,700ドル割れ

NY金先物市場は1699.10-1723.00ドルのレンジ相場となった。連日で米長期金利が上昇するなか、金利を生まない金相場は売りに押された。また、外国為替市場で全般にドル高が進んだことも、ドル建てで取引される金の重しとなった。アジア市場の序盤で1723.00ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが強まり、ニューヨーク市場の序盤から中盤にかけて2021年3月以来となる1700ドル割れの場面があった。その後、1710ドル台まで戻したものの、安全逃避的な金買いは拡大せず、通常取引終了後の時間外取引では1710ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は続落:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.26%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が強まる中、前週分の米新規失業保険申請件数や8月米ISM製造業景気指数が予想より強い内容だったことが分かると債券売りが広がった。利回りは一時3.2932%前後と6月21日以来の高水準を付けた。 

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