FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:金融引き締めを警戒した売りが加速

NYダウは280.44ドル安の31510.43ドル、ナスダックは66.93ポイント安の11816.20ポイントで取引を終了した。8月ADP雇用統計が予想を下回る伸びにとどまったため大幅利上げ観測がいったん後退し、寄り付き後は一時上昇そた。しかし、本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つクリーブランド連銀のメスター総裁が2023年に政策金利を4%以上に引き上げ据え置くべきとタカ派姿勢を表明した。そのため、長期金利が一段と上昇すると長期にわたる金融引き締めを警戒した売りが加速し、下落に転じた。引けにかけても、月末で戻りなく、主要株式指数は下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は26.21から25.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅く推移

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が前年比9.1%上昇と予想の9.0%上昇を上回り、過去最高を記録すると、来週8日の欧州中央銀行(ECB)理事会で通常の3倍にあたる0.75%の利上げが実施されるとの観測が高まりユーロ買いが優勢となった。市場では『月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された』との声も聞かれ、前日の高値1.0055ドルを上抜けて一時1.0079ドルまで上値を伸ばした。ただ、26日の高値1.0090ドルがレジスタンスとして意識されるとやや伸び悩み1.0036ドル付近まで下押しした。 

 

ドル/円は、8月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が13.2万人増と予想の30.0万人増を下回ったことが伝わると一時138.44円付近まで値を下げたものの、下押しは限定的だった。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が強まる中、米10年債利回りが一時3.1945%前後と6月28日以来約2カ月ぶりの高水準を更新した。円売り・ドル買いがじわりと強まり、欧州時間の高値138.89円を上抜けて139.00円まで上値を伸ばした。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁はこの日、『インフレ沈静化のために2023年初めまでにFF金利を4%超の水準に引き上げて、その後しばらくは据え置く必要がある』と述べ、『23年中の利下げはない』との予想を明確に示した。 

 

NY原油先物市場は続落:世界経済の減速予想で買い縮小

NY原油先物市場は88.27ドル-92.73ドルのレンジ相場となった。欧米の大幅利上げ観測による景気後退への懸念が相場の重しとなった。また、アジア時間に公表された中国の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)が2カ月連続で景況感の分水嶺となる50を下回り、同国景気の先行き不安が意識されたことも売り材料視された面がある。アジア市場で92.73ドルまで値を上げたが、世界経済の減速予想を背景に買いが縮小し、ロンドン市場の中盤にかけて88.27ドルまで反落。ニューヨーク市場では米国株安が嫌気されたが、需給ひっ迫の思惑は完全には消えていないことから、91.61ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引で売りが再び強まり、88.71ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は 4日続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1720.60-1738.00ドルのレンジ相場となった。米金融引き締め政策の長期化が意識されるなか、連日で米長期金利が上昇しており、金相場の重しとなっている。アジア市場で1738.00ドルまで買われたが、換金目的の売りは続いており、ロンドン市場で1720.60ドルまで反落。ただ、ユーロの値動きを意識して売りは縮小し、通常取引終了後の時間外取引では1722ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場 は下落:欧米中銀による大幅利上げ観測から売りが優勢

米港k債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)3.47%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.19%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)による大幅利上げ観測を背景に、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.1945%前後と6月28日以来約2カ月ぶりの高水準を付けた。

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