FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:米長期金利の上昇に連れ売り優勢に

NYダウは308.12ドル安の31790.87ドル、ナスダックは134.53ポイント安の11883.14ポイントで取引が終了した。値ごろ感の買いに寄り付き後は一時上昇した。しかし、8月消費者信頼感指数や7月JOLT求人件数の予想を上回る良好な結果を受けて大幅利上げ観測が強まり、長期金利の上昇に連れて売られ、大幅下落に転じた。さらに、台湾が中国のものとされるドローンに初の威嚇射撃を行ったとの報道を受け、地政学的リスク上昇を警戒した売りに押され一段安となった。引けにかけても、警戒感がくすぶり戻りなく主要株式指数は下落で終了した。VIX指数は26.21と前日と変わらずだった。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標受け米長期金利上昇でドル買い優勢

ユーロ/ドルは、8月米消費者信頼感指数が103.2と予想の97.9を大幅に上回ったことが伝わると、米10年債利回りが一時3.1493%前後と6月29日以来約2カ月ぶりの高水準を記録した。全般ドル買いが優勢となり、一時0.9983ドル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値0.9982ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。欧州中央銀行(ECB)による大幅利上げ観測の高まりを背景に、ドル以外の通貨に対してはユーロ買いが強まった影響も受けた。ユーロ/ポンドは一時0.8604ポンド、ユーロ/豪ドルは1.4632豪ドル、ユーロ/NZドルは1.6353NZドル、ユーロ/カナダドルは1.3140カナダドル、ユーロ/スイスフランは0.9773スイスフランまで上昇した。なお、一部のECB政策委員会メンバーからは『記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき』との声が上がっている。 

 

ドル/円は、6月米ケース・シラー住宅価格指数や6月米住宅価格指数など住宅関連の指標が予想を下回ると伸び悩む場面もあったが、その後発表の米消費者信頼感指数が予想を上回ったことが分かると米金利の上昇とともにドル買いが進んだ。アジア時間の高値138.78円を上抜けて、一時139.07円まで上値を伸ばした。ただ、7月14日に付けた1998年9月以来の高値139.39円がレジスタンスとして意識されると上昇が一服し、138.61円付近まで下押しした。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)執行部の1人であるウィリアムズNY連銀総裁はこの日、『インフレは依然として高過ぎる』と述べ、金融引き締め姿勢を来年まで継続する姿勢を示した。 

 

カナダドルは軟調だった。WTI原油先物価格が一時6%超下落すると、産油国通貨であるカナダドルに売りが集まった。対米ドルでは一時1.3108カナダドル、対円では105.80円までカナダドル安に振れた。同じく産油国通貨とされるメキシコペソも軟調。対ドルで20.2082ペソ、対円で6.86円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:世界的な景気減速懸念強まり相場の重し

NY原油先物市場は90.54ドル⁻97.66ドルのレンジ相場となった。前日に約1カ月ぶりの高値をつけた反動から利益確定目的の売りが先行した。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ観測が高まるなか、世界的な景気減速への懸念が強まったことも相場の重しとなった。アジア市場で97.06ドルまで値を上げたが、まもなく反落し、ニューヨーク市場の中盤にかけて一時90.54ドルまで大幅安となった。米国株安が嫌気されたが、需給ひっ迫の思惑は完全には消えていないことから、原油先物の下げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引では主に92ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利上昇で換気目的売り増加

NY金先物市場は1732.90-1752.80ドルのレンジ相場となった。この日発表された8月米消費者信頼感指数が市場予想を大きく上回る強い結果になると、米長期金利が上昇した。金利がつかない資産である金相場は売りに押された。アジア市場の序盤で1752.80ドルまで買われたが、換金目的の売りが増えたことによって、金先物の上値は再び重くなり、ニューヨーク市場の序盤から中盤にかけて1732.90ドルまで反落した。ただ、ユーロの値動きを意識して売りは縮小し、通常取引終了後の時間外取引では1735ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は変わらず:買い先行後に良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの3.43%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比変わらず3.10%で終了した。欧米中銀による大幅利上げ観測が高まる中、世界的な景気減速への懸念から債券買いが入ったものの、8月米消費者信頼感指数が予想を大幅に上回ったことが伝わると一転売りが優勢となり値を消した。利回りは一時3.1493%前後と6月29日以来約2カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。 

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