★米国株式市場は続落:値ごろ感からの買いも米長期金利上昇で再下落
NYダウは184.41ドル安の32098.99ドル、ナスダックは124.04ポイント安の12017.67ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のジャクソンホール会議でのタカ派発言を受けて、利上げペース加速を警戒した売りが継続し、寄り付き後は大きく下落した。その後、足もとの相場急落を受けて値ごろ感からの買いにNYダウは一時上昇に転じる局面もあったが、長期金利の上昇を受けてハイテク株の売りが相場を再び押し下げた。VIX指数は25.56から26.21へ上昇した。
★NY外国為替市場:米長期金利に伴いドル買い優勢に
ドル/円は、アジア時間に一時139.00円まで上昇した反動でポジション調整目的の売りが先行すると、一時138.27円付近まで下押しした。WTI原油先物価格の上昇を背景に、対資源国通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の26日の講演で米金融引き締めの長期化観測が強まる中、引けにかけては再び強含んだ。米長期金利の上昇に伴う買いも入り、一時138.87円付近まで値を上げた。
ユーロ/ドルは、欧州の天然ガス価格の下落を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念が和らぐとユーロ買い戻しが広がった。フォンデアライエン欧州委員長が『電力市場への緊急介入を準備』と述べたと伝わるとユーロ買いがさらに進み、一時1.0029ドルと日通し高値を付けた。ただ、そのあとは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため、0.9981ドル付近まで下押しした。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが『遅過ぎず速過ぎない安定したペースでターミナルレートとの差を埋めることが重要』と述べ、大幅利上げの議論をけん制したことも相場の重しになった。なお、一部のECB政策委員会メンバーからは『記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で、通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき』との声が上がっている。
★NY原油先物市場は大幅続伸:減産による供給不安を背景にした買い優勢
NY原油先物市場は92.29ドル-97.37ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアが先週、石油輸出国機構(OPEC)プラスが減産に踏み切る用意があると言及したことに関して、複数のOPEC加盟国が減産方針の支持を表明した。供給不安を背景にした買いが強まり、一時97.37ドルと7月29日以来の高値を更新する場面も見られた。アジア市場の序盤に92.29ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の終盤にかけて97.37ドルまで値を上げた。米国株安が嫌気されたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないことから、原油先物は欧米市場で底堅い動きを保ち、通常取引終了後の時間外取引では主に96ドル台で推移した。
★NY金先物市場はほぼ横ばい:米長期金利の上昇とドル高を意識され買い後退
NY金先物市場は1731.40-1757.90ドルのレンジ相場となった。前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言を受けた米金利の上昇はこの日も継続した。金利がつかない資産である金相場の重しとなった。一方で、外国為替市場では対ユーロなどでドル売りが進んだため、ドル建てで取引される金の割安感を手掛かりにした買い戻しも入った。ロンドン市場の序盤にかけて1731.40ドルまで売られた後、ポジション調整的な買いが増えたことで反発した。ニューヨーク市場の序盤から中盤にかけて1757.90ドルまで買われる場面があった。ただ、米長期金利の上昇やドル高を意識して買いは縮小し、通常取引終了後の時間外取引では1750ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は下落:金融引き締めの長期化観測から売り優勢
米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)3.43%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.10%で終了した。前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、金融引き締めの長期化観測が強まると債券売りが優勢となった。利回りは一時3.1266%前後と6月29日以来2カ月ぶりの高水準を付けた。
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