FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:米景気減速懸念から売りが優勢に

NYダウは154.02ドル安の32909.59ドル、ナスダックは0.27ポイント安の12381.30ポイントで取引を終了した。8月製造業・サービス業PMIが予想以上に悪化したため景気減速懸念に売られ、寄り付き後は下落した。その後に発表された7月新築住宅販売件数も2016年来で最低となる低調な経済指標がさらなる売り圧力となった。金利の低下でハイテク株は一時上昇に転じるも、ジャクソンホール会合を控え金利が再び上昇するに従い戻りも鈍く、終日軟調に推移した。株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。VIX指数は23.80から24.11へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米経済指標が軒並み低調な結果でドル失速

ドル/円は、米10年債利回りが3.0740%前後と7月21日以来約1カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行し、一時137.63円付近まで値を上げた。ただ、その後発表された8月米製造業・サービス部門PMI速報値や7月米新築住宅販売件数、8月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことが分かると一転ドル売りが優勢になった。前日の安値136.70円や節目の136円を下抜けて、一時135.78円まで値を下げた。もっとも、19日の安値135.72円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。2年債入札後に米10年債利回りが再び上昇に転じたことも相場を下支えして、136.89円付近まで持ち直した。

 

ユーロ/ドルは、この日の発表の米経済指標が軒並み低調な結果だったことが伝わると米金利の低下とともにドル売りが先行し、一時1.0018ドルと日通し高値を更新した。ただ、前日の高値1.0047ドルが目先レジスタンスとして意識されると0.9960ドル付近まで上値を切り下げた。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなった。天然ガスなどエネルギー供給の先行き不透明感が強く、ユーロ圏景気の減速懸念からユーロ売りが出やすい面もあった。なお、欧州序盤には一時0.9901ドルと2002年12月以来の安値を付ける場面があった。 

 

NY原油先物市場は反発:主要産油国による減産を警戒した買い

NY原油先物市場は90.42ドル-94.22ドルのレンジ相場となった。昨日、下落幅縮小に一役買ったサウジアラビア・エネルギー相の『市場安定のために原油生産を引き締める必要』との発言の影響を引きずり、本日から中心限月となった10月限は3月22日以来の高値94.22ドルまで一時上昇した。明日に米週間石油在庫の発表を控えた警戒感も買いを誘う一因となった。アジア市場の序盤で90.42ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて94.22ドルまで一段高となった。主要産油国による減産を警戒した買いが広がる展開となった。通常取引終了後の時間外取引では主に93ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は7営業日ぶりに反発:米金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1743.10-1767.50ドルのレンジ相場となった。8月米購買担当者景気指数(PMI)速報値ほか米経済指標が軒並み弱い結果となったことで、安全資産とされる金が買い戻された。米金利低下を受けたドル安によりドル建て金価格に割安感が生じたことも、金を買う動きにつながった。ニューヨーク市場の序盤に1743.10ドルまで下げたが、ユーロ安米ドル高が一服したことから、1767.50ドルまで買われた。ただ、その後は利食い売りが増えたことで上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1760ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:米国では利上げ継続の思惑根強く売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.28%で終了した。長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)3.04%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演で、インフレ抑制のため利上げを続ける姿勢を改めて示すとの見方から債券売りが優勢となった。米2年債入札が『やや低調』と受け止められたことも相場の重しになった。ただ、予想を下回る米経済指標が相次いだことで債券買いが強まる場面もあった。

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