FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:早期利上げ期待の後退を好感した買い

NYダウは332.04ドル高の32529.63ドル、ナスダックは130.17ポイント高の12162.59ポイントで取引を終了した。4-6月期国内総生産(GDP)が1-3月期に続き2四半期連続マイナス成長となったため景気後退を警戒した売りに寄り付き後は下落した。同時に、景気減速により、急速で大幅な利上げが回避できるとの期待に金利低下に伴い買戻しも目立ち、上昇に転じた。下院が半導体業界支援法案を可決したほか、政府の環境問題支援策を巡る進展などが好感され、引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は23.24から22.33へ低下した。

 

NY外国為替市場:景気後退入りをきっかけにドル急落

ドル/円は、4-6月米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率0.9%減と市場予想(0.5%増)を下回り、2四半期連続のマイナス成長、景気後退(リセッション)入りとなったことをきっかけに急落した。米中長期金利の急低下とともに節目の135円を割り込んだ。その後も戻りが鈍いまま、一時134.20円と6月17日以来の安値を付けた。なお、イエレン米財務長官は記者会見で『GDPはあくまで遅行指標であり、その先を見ることが重要』『大幅な景気減速と雇用喪失は見られない』『米金融当局はインフレ抑制で正しい措置を講じている』と前向きな見解を示した。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間には1.0114ドルまで下落する場面があったが、NY時間は総じて底堅い動きとなった。米長期金利の低下やドル円の下落に伴って買い戻しが入り、取引終盤には1.0200ドル前後まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は反落:4-6月期米国経済のマイナス成長を嫌気

NY原油先物市場は96.04ドル-99.84ドルのレンジ相場となった。欧州でのエネルギー供給不安や、昨日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見後にドルが弱含んだことで、ドルで取引される原油先物は割安感から買われ一時100ドル手前に迫った。しかし、4-6月期の米国内総生産(GDP)が市場予想を下回り2期連続のマイナスとなると、相場の流れが一転した。引けにかけては下げ幅を広げ、反落して引けた。ロンドン市場で99.84ドルまで買われたが、4-6月期米国内総生産のマイナス成長を受けて一時96.04ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に97ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は大幅続伸:米金利低下とドル安で買い優勢に

NY金先物市場は1750.40-1774.10ドルのレンジ相場となった。昨日の金先物相場の引け後に、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で、利上げについて慎重な姿勢を示したことで米金利が低下・ドル売りが進んだことで金先物は大幅に反発した。また、4-6月期の米国内総生産(GDP)が市場予想を下回り、2期連続のマイナスとなったことで、安全資産としての金先物に買いが集まり上げ幅を拡大した。アジア市場で1750.40ドルまで下げた後、4-6月期米国内総生産のマイナス成長を受けて安全逃避的な買いが強まる展開となった。ニューヨーク市場の終盤にかけて1774.10ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に1770ドル台で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:米利上げ時期が後退し買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.17%低い(価格は上昇)2.85%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%低い2.67%で終了した。4-6月米国内総生産(GDP)速報値がマイナス成長だったことが分かると、米利上げ期待が後退し債券は急伸した。利回りは一時2.6471%まで低下した。その後は引けにかけても底堅さを維持した。

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