FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:企業決算を好感した買いが後押し

NYダウは162.06ドル高の32036.90ドル、ナスダックは161.96ポイント高の12059.61ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が予想外に増加したほか、7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や6月景気先行指数が予想外に悪化したため、景気減速を懸念した売りが先行し、寄り付き後は下落した。バイデン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性症状との政府公表を受け、警戒感から売りが一段と加速した。その後、報道官が会見で、大統領の病状が深刻化するリスクは低いと表明したため安心感から買戻しが強まり、NYダウは上昇に転じた。ハイテクセクターが支援したほか、予想を上回る企業決算を好感した買いも後押しし、引けにかけて、上げ幅を拡大した。VIX指数は23.88から23.11へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の急低下でドル売り優勢に

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、政策金利を0.50%引き上げることを決めたと発表した。一部の市場予想(0.25%利上げ)を上回る利上げ幅となったことを受けて全般ユーロ買いが先行した。前日の高値1.0273ドルを上抜けて一時1.0278ドルまで上値を伸ばした。声明では『今後の会合で、金利のさらなる正常化が適切に行われるだろう』との見解が示された。ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で『ECBは利上げを加速する』としながらも、『最終的な金利水準は変えない』と述べ、利上げが終了する金利水準は変わっていないことを明らかにすると一転ユーロ売りが優勢になり、一時1.0154ドルと日通し安値を更新した。また、イタリアではマッタレッラ大統領がドラギ首相の辞表を受理し、議会の解散を表明。9月25日に総選挙が実施される見通しとなった。イタリアの政局不安もユーロの重しとなった。もっとも、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン『ノルドストリーム1』の運営会社はこの日、10日間の定期メンテナンスを終えてドイツへのガス供給が再開したと発表。欧州のエネルギー供給不安が和らぎユーロ買い戻しを誘った。米長期金利の低下に伴うドル売りも入り、取引終了間際には1.0233ドル付近まで持ち直す場面があった。 

 

ドル/円は、日銀が大規模金融緩和の維持を決めたことで、日本時間夕刻には138.87円まで上昇する場面もあったが、NY市場ではさえない展開となった。7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲12.3と予想を大きく下回り、2020年5月以来の水準まで悪化したほか、6月米景気先行指標総合指数が前月比0.8%低下と予想より弱い内容となったことが円買い・ドル売りを促し、取引終了間際に一時137.30円と日通し安値を付けた。バイデン米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたことや、米10年債利回りが一時2.86%台まで急低下したことも相場の重しになった。 

 

南アフリカランドは上昇。南アフリカ準備銀行(SARB)はこの日、政策金利を0.75%引き上げることを決めたと発表した。市場予想(0.50%利上げ)を上回る利上げ幅となったことで、全般ランド買いが進んだ。対ドルでは一時16.9980ランド、対円では8.13円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は大幅続落:欧州のエネルギー供給不安が後退

NY原油先物市場は94.59ドル-99.99ドルのレンジ相場となった。欧州中央銀行(ECB)の利上げが開始されたことで欧州の景気後退懸念が広がり、リスク回避目的の売りが出た。また、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン『ノルドストリーム1』の点検が終了し、ドイツへのガス供給が再開されたことに伴い、欧州のエネルギー供給不安が後退したことも相場の重しとなった。アジア市場の序盤に99.99ドルまで買われたが、戻り売りの興味が強まり、ロンドン市場で一時94.59ドルまで下落した。需給ひっ迫の思惑は消えていないため、ニューヨーク市場の序盤にかけて97ドル台半ばまで反発したが、買いは続かず、通常取引終了後の時間外取引では主に96ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は反発:米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1678.40-1719.20ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を背景に外国為替市場ではドル売りが進み、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。また、欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げを受けて、欧州の景気減速懸念が意識されたことも安全資産とされる金需要を高めた面もある。ロンドン市場で1678.40ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1700ドル台を回復した。米長期金利の低下を意識して押し目買いの興味が強まり、通常取引終了後の時間外取引で1719.20ドルまで買われている。

 

米国債券市場は上昇:弱い米経済指標受け買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%低い(価格は上昇)3.09%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.15%低い2.87%で終了した。この日発表の7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、6月米景気先行指標総合指数が予想より弱い内容となったことで、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ポジション調整目的の買いも入った。 

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