FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米景気減速への懸念が再燃し売りが優勢に

NYダウは215.65ドル安の31072.61ドル、ナスダックは92.37ポイント安の11360.05ポイントで取引を終了した。金融のゴールドマンサックス(GS)や銀行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)の予想を上回った四半期決算を好感した買いに、寄り付き後は大きく上昇した。その後、7月NAHB住宅市場指数の予想以上の悪化で、景気減速への懸念が再燃し、上げ幅を縮小した。さらに、携帯端末のアップル(AAPL)が一部部門で23年度の新規採用や支出減速報道で売られ、警戒感がさらに強まり、主要株式指数は下落に転じた。引けにかけ下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は24.23から25.30へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日米欧の金融政策を控え方向性を欠くレンジ相場

ユーロ/ドルは、7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が55と予想の66を大きく下回ったことが分かると、市場で台頭していた来週26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での1.00%利上げ観測がさらに後退し、ドル売りを促し一時1.0201ドルと日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると米国株の失速に伴うリスク回避のユーロ売り・ドル買いが出て、一時1.0141ドル付近まで下押しした。ロシア国営企業のガスプロムが欧州顧客に対し、異常な状況下にあるためガス供給を保証することができないと通告した。欧州エネルギー供給への不安が高まる中、積極的にユーロを買いづらい面もあった。 

 

ドル/円は、米10年債利回りが3.01%台まで上昇したことなどをながめ円売り・ドル買いが先行すると、一時138.43円付近まで値を上げた。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し高値138.63円には届かなかった。米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げ観測が後退する中、全般ドル売りが出ると137.97円付近まで押し戻された。この日発表された米住宅指標が予想を下回ったことも相場の重しになった。もっとも、20-21日の日銀金融政策決定会合では大規模な金融緩和策の維持が見込まれており、下押しも限定的だった。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:需給ひっ迫の可能性が残り買い優勢に

NY原油先物市場は92.88ドル-99.62ドルのレンジ相場となった。ロシア国営企業のガスプロムが欧州顧客に対し、異常な状況下にあるためガス供給を保証することができないと通告した。欧州エネルギー供給への不安が高まるなか、原油先物価格にも買いが広がった。アジア市場の序盤で92.88ドルまで下げた後、主要産油国による増産は実現困難との見方が強まり、終盤にかけて97ドル台まで反発。ロンドン市場で一時96ドルを下回ったが、ニューヨーク市場の後半にかけて99.62ドルまで値を上げる場面があった。世界経済の減速懸念は消えていないことから、戻り売りも観測されたが、需給ひっ迫の可能性は残されており、通常取引終了後の時間外取引では主に99ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は3に営業日ぶりに反発:ユーロの値動きを意識した買い

NY金先物市場は1704.40-1722.00ドルのレンジ相場となった。外国為替市場では対ユーロなどでドル安が進み、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。一時1722.0ドルまで上昇する場面も見られた。アジア市場の序盤で1704.40ドルまで下げたが、ユーロ高を意識した買いが入ったことによってロンドン市場で1722.00ドルまで反発した。ただ、ニューヨーク市場で米長期金利が上昇したことから、利食い売りが優勢となり、通常取引終了後の時間外取引で1704.60ドルまで下げる場面があった。

 

米国債券市場は下落:アジア・欧州株を受けた売りがやや優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)3.16%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い2.98%で終了した。アジアや欧州の株高を受けて安全資産とされる米国債には売りが先行したものの、米国株が失速すると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。 

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