FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米労働市場の強さから金利高を警戒した売り

NYダウは46.40ドル安の31338.15ドル、ナスダックは13.96ポイント高の11635.31ポイントで取引を終了した。6月雇用統計が労働市場の強さを証明し、7月連邦公開市場委員会(FOMC)で6月に続き2会合連続の0.75%の利上げを織り込む金利上昇を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。押し目からは景気後退を回避できるとの楽観的な見通しで買い意欲も強く、一時上昇に転じた。しかし、FRBの過剰な引き締めや金利高を警戒した売り圧力に押され、NYダウは結局下落して終了した。ナスダック総合指数はかろうじてプラス圏を維持した。VIX指数は26.08から24.64へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米雇用統計受けドルは底堅く推移

ドル/円は、米労働省が発表した6月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比37.2万人増と予想の26.8万人増を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時136.57円と日通し高値を更新した。なお、失業率は3.6%と市場予想通りの結果となったほか、平均時給は前月比0.3%上昇/前年比5.1%上昇と前年比で予想を上回った。ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。6月30日の高値136.81円や同月29日に付けた約24年ぶりの高値137.00円がレジスタンスとして意識されたほか、週末を控えたポジション調整目的の売りが出て一時135.87円付近まで下押しした。5月米卸売売上高が前月比0.5%増と予想の0.9%増を下回ったことも相場の重しとなった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では、天然ガスの供給不足などを背景に欧州の景気後退(リセッション)懸念が強まり、一時1.0072ドルと2002年12月以来およそ19年半ぶりの安値を付ける場面があった。市場では『1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)割れは時間の問題』との声が聞かれた。ただ、パリティである1.0000ドルが重要なサポートとして意識されたこともあり、NY市場では買い戻しが目立った。米雇用統計の結果を受けて米長期金利は上昇したものの、相場への影響は限定的となり、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが進み、一時1.0189ドル付近まで切り返した。

 

カナダドルは底堅い動きとなった。カナダ統計局が発表した6月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が4.32万人減と予想の2.35万人増に反して減少したことが分かるとカナダドル売りが先行したものの、失業率が4.9%と予想の5.1%より強い内容となったこともあって売りは長続きしなかった。WTI原油先物価格が上昇すると産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まり、対ドルでは一時1.2936カナダドル、対円では105.23円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は続伸:良好な米雇用統計を受け買い優勢に

NY原油先物市場は101.51ドル-105.24ドルのレンジ相場となった。6月の米雇用統計の非農業者部門就業者数が市場予想を大きく上回ったことで、景気後退懸念による原油先物売りの流れが一時的に弱まった。指標発表前までは弱含んでいた原油先物は、発表後から買われ一時105ドルを上回る場面もあった。ロンドン市場で101.51ドルまで反落したが、供給不足の不安は解消されていないことや良好な米雇用統計を受けて、ニューヨーク市場で105.24ドルまで上げ幅は拡大した。通常取引終了後の時間外取引では主に104ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利上昇で上げ渋る

NY金先物市場は1726.00-1751.70ドルのレンジ相場となった。米雇用統計発表後に米金利が上昇すると、金利のつかない金先物には売りが入り一時マイナス圏に沈んだ。もっとも、為替市場で対ユーロや対オセアニア通貨を中心にドル売りが優勢となると、ドルで取引される金先物は割安感から買い戻しが入り続伸して引けた。なお、週を通すと前週比では3%超金先物価格は下落して引けている。ニューヨーク市場の序盤に1726.00ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1751.70ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では、1740ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:好調な米雇用統計受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)3.11%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.08%で終了した。6月米雇用統計で労働市場の堅調が示されると、米景気不安が和らぎ相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

 

いつもご愛顧いただきまして本当にありがとうございます。

大変ご迷惑をお掛け致しますが、7月11-15日の間夏休みを頂きますので、

コメントはお休みとさせていただきます。

7月19日よりコメント配信いたしますので、

今後とも宜しくお願い致します。

 

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