FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FOMC議事要旨の内容が想定内の方針で買い優勢に

NYダウは69.86ドル高の31037.86ドル、ナスダックは39.61ポイント高の11361.85ポイントで取引を終了した。ISM非製造業指数やJOLT求人件数が予想を上回ったため景気後退懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。しかし、金利上昇や連邦準備制度理事会(FRB)による6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表を控えた警戒感に売りが強まり、下落に転じた。公表された内容でFRBが労働市場や消費に楽観的な見解を示し、利上げを計画通り継続していく想定内の方針が示されると、買いが再開した。引けにかけて上昇幅を拡大した。一方、原油先物価格の下落でシェブロンなどエネルギー株が売られた。VIX指数は27.54から26.73へ低下した。

 

NY外国為替市場:FOMC議事要旨公表後に米長期金利上昇でドル買い

ドル/円は、一時134.96円と日通し安値を付けたものの、134円台では押し目を拾いたい向きも多く、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。6月米サービス部門・総合PMI改定値が速報値から上方修正され、6月米ISM非製造業指数が55.3と予想の54.3を上回ったこともドル買いを促し、一時136.01円と日通し高値を更新した。その後の下押しも135.53円付近にとどまった。なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日分)では『7月会合では0.50%もしくは0.75%の利上げの可能性が高い』との見解が示され、今後のインフレ動向次第では『一段の制限的な政策があり得る』との認識で一致したことが明らかになった。新味に乏しい内容だったが、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が上昇したことから、ドル/円も底堅く推移した。米10年債利回りは、2.74%台から2.93%台まで急上昇した。

 

ユーロ/ドルは、エネルギー供給不安などを背景に欧州の景気後退(リセッション)懸念が強まる中、この日もユーロを売る動きが継続した。市場では『欧州経済のリセッション入りを理由にユーロ売りを仕掛けたい市場参加者が多い』との声が聞かれ、一時1.0162ドルと2002年12月以来およそ19年半ぶりの安値を付けた。なお、欧州が年内にリセッション入りするとの予想が増加しており、市場が織り込む欧州中央銀行(ECB)の利上げ見通しは後退した。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)割れを見込む声が増え始めている。

 

メキシコペソは軟調になった。対ドルで20.7862ペソ、対円で6.53円まで値を下げた。WTI原油先物価格が一時1バレル=95.10ドルと4月12日以来の安値まで下落すると産油国通貨とされるメキシコペソに売りが出た。同じく産油国通貨であるカナダドルも売られ、対ドルで一時1.3078カナダドルまで下落した。

 

NY原油先物市場は続落:原油需要減少の可能性高まる

NY原油先物市場は95.10ドル-102.14ドルのレンジ相場となった。欧米を中心とした景気先行き懸念が高まっていることで、原油先物価格は続落した。ユーロを中心にドル買いが進むと、ドルで取引される原油先物価格は割高感となることで一時95.10ドルまで弱含む場面もあった。アジア市場で102.14ドルまで戻したが、世界経済の減速観測が強まり、需要減少の可能性が高まっていることから、ニューヨーク市場で一時95.10ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引では主に98ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は7日続落:米金利上昇を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1730.70-1771.50ドルのレンジ相場となった。前日の引け値を挟んでもみ合いが続いていた。しかし、米6月米サービス部門・総合PMI改定値が速報値から上方修正され、6月米ISM非製造業指数が市場予想を上回ると、米金利が上昇したことで、金先物価格は売りに押された。本日もユーロを中心にドルが強含んだことで、ドルで取引される金先物は割高感により7日続落し、昨年9月以来の水準まで下値を広げた。アジア市場で1771.50ドルまで戻したが、主要通貨に対するドル高を嫌気した売りが再び強まり、ニューヨーク市場で1730.70ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1740ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は反落:ポジション調整目的の売りが優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.15%高い(価格は下落)2.97%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い2.93%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日分)は新たな材料に乏しかったが、足もとで相場上昇が続いたあとだけにポジション調整目的の売りが優勢となった。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。

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