FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:世界的な景気減速懸念から売り優勢

NYダウは129.44ドル安の30967.82ドル、ナスダックは194.40ポイント高の11322.24ポイントで取引は終了した。欧州天然ガス価格の上昇で、インフレ高進によるユーロ圏景気の減速懸念が高まると欧州株が急落した。NYダウも深刻な景気後退懸念に売られ、寄り付き後は大幅安となった。その後発表された5月製造業受注や耐久財受注が予想外に改善したため売りの勢いが弱まったが、NYダウは景気後退懸念が終日くすぶり、軟調推移した。引けにかけ、暗号資産市場が回復したほかハイテクの上昇で下げ幅を一段と縮小した。金利低下でハイテクの買戻しが継続し、ナスダック総合指数はプラス圏で終了した。VIX指数は27.53から27.54へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米の景気減速懸念の強まりからリスク回避の円買い

ユーロ/ドルは、欧州天然ガス価格の上昇で、インフレ高進によるユーロ圏景気の減速懸念が高まると全般ユーロ売りが広がった。短期金融市場では欧州中央銀行(ECB)が今月中に0.25%の利上げを実施するとの見方は織り込まれているものの、9月までの0.50%利上げの織り込み度合いは後退した。年初来安値である1.0350ドルや重要なネックラインとして意識されていた2017年1月3日の安値1.0341ドルを下抜けると、テクニカル的な売りも活発化し、一時1.0235ドルと02年12月以来およそ19年半ぶりの安値を更新した。市場では『欧州が年内に景気後退(リセッション)入りするとの予想が増加。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)割れを見込む声が増え始めている』との指摘があった。 

 

ドル/円は、米10年債利回りが2.77%台まで低下したことが相場の重しとなり、一時135.53円と日通し安値を付けたものの、ユーロや資源国通貨に対してドル高が進んだ影響を受けたため下値は限定的だった。 

 

カナダドルは対ドルで1.3084カナダドル、対円で103.65円まで下落した。WTI原油先物価格が1バレル=100ドルを割り込んで、一時10%超急落した。産油国通貨とされるカナダドルに売りが出た。同じく産油国通貨であるメキシコペソも軟調に推移し、対ドルで20.6181ペソ、対円で6.58円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:景気減速懸念から売りが広がる

NY原油先物市場は97.43ドル-111.45ドルのレンジ相場となった。時間外の東京時間午前には一時111.45ドルまで強含んだが、欧州の景気後退懸念で欧州株・欧州通貨が弱含むと、原油先物価格は下げに転じた。NY入り後はさらに下げ幅を広げ、一時97.43ドルまで下げるなど、一日で高値から14ドル超下落するなど大相場になった。通常取引終了後の時間外取引では主に99ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は6日続落:ドル高で換金目的の売り優勢に

NY金先物市場は1763.00-1813.10ドルのレンジ相場となった。欧米株価は軟調な動きを見せたが、リスク回避の金の買戻しには動かず6日続落した。ドルが対ユーロで2002年以来、カナダドルやポンドに対しては2020年以来となるドル高に動き、ドルで取引される金先物は割高感となったことも重しになった。アジア市場で1813.10ドルまで戻したが、ユーロ安を受けて換金目的の売りが強まり、ニューヨーク市場で1763.00ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1765ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:米2-10年債で逆イールド

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は低下)2.82%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い2.81%で終了した。米景気の減速懸念が一段と高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。利回りは一時2.7763%前後まで低下し、10年債利回りが2年債利回りを下回る『逆イールド』が発生した。 

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