FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:景気後退懸念が一段の売り圧力

NYダウは253.88ドル安の30775.43ドル、ナスダックは149.16ポイント安の11028.73ポイントで取引を終了した。消費や製造業の鈍化を示す経済指標を受けた売りに、寄り付き後は下落した。高級家具販売RHの再三にわたる見通し引き下げも消費鈍化懸念を強め、景気後退懸念が一段の売り圧力となった。同時に、コアPCE価格指数が予想を下回りインフレのピーク達成感が強まったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅な利上げ観測が弱まり金利低下を受けて、主要株式指数は引けにかけて下げ幅を縮小した。四半期末の機関投資家の資産配分見直しに伴う資金流入への期待が相場を下支えしたため、49ドル安前後まで下げ渋る場面があった。VIX指数は 28.16から28.71へ上昇した。

 

NY外国為替市場:景気の減速懸念から米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、米商務省が発表した5月米個人消費支出(PCE)が前月比0.2%増と予想の0.4%増を下回り、米経済活動の3分の2を占める個人消費の鈍化が明らかになると、米景気の減速懸念が高まった。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、一時135.55円と日通し安値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が重要視するPCEコアデフレーターも前年比4.7%上昇と前月の4.9%上昇から減速し、予想の4.8%上昇を下回った。なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時2.9685%前後まで低下し、節目の3%を割り込む場面があった。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の6月独雇用統計がさえない結果となったことを受けて、一時1.0383ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。15日の安値1.0359ドルや5月13日の安値1.0350ドルがサポートとして働いたほか、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入った。月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローも観測されて、一時1.0488ドルと日通し高値を更新した。ユーロ/ポンドも底堅く推移し、一時0.8551ポンドと日通し安値を付けたものの、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると、0.8615ポンド付近まで急速に持ち直した。 

 

NY原油先物市場は続落:需要減少の思惑強まる

NY原油先物市場は105.10ドル-110.45ドルのレンジ相場となった。米景気への減速懸念が広がるなか、エネルギー需給の見通しが不透明ということもあり、相場は前日の流れを引き継いで売りが先行した。月曜日が米・独立記念日で積極的にリスクを取りづらく、ポジション調整の売りも出やすかったようだ。105ドル手前では下げ止まったものの大幅安で終えた。アジア市場で110.45ドルまで買われたが、世界経済の減速観測を背景に需要減少の思惑が強くなっていることから、売りが優勢となった。ニューヨーク市場の中盤にかけて105.10ドルまで下落し、通常取引終了後の時間外取引では主に106ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続落:換金目的の売り強まる

NY金先物市場は1802.50-1826.80ドルのレンジ相場となった。序盤に節目1800ドルを試そうとしていたが、5月米PCEデフレーターなどの発表後に25ドルほど急反発した。もっとも一巡後は再び上値を切り下げる展開になった。月末や四半期末に絡んだ売りが現物に持ち込まれていたことも先物の重しとなった。ロンドン市場で1802.50ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1826.80ドルまで反発した。しかしながら、米長期金利の低下を意識した買いは一部にとどまり、換金目的の売りが観測された。通常取引終了後の時間外取引では1810ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米景気の減速懸念高まり買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)2.95%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.01%で終了した。5月米個人消費支出(PCE)が予想を下回ったことを受けて米景気の減速懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。市場では『月末・期末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれた。 

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