★米国株式市場は下落:景気減速懸念から売り圧力が強まった
NYダウは491.27ドル安の30946.99ドル、ナスダックは343.01ポイント安の11181.54ポイントで取引を終了した。中国が新型コロナ規制の緩和を発表したため、世界経済の成長期待を受けた買いに、寄り付き後は上昇した。NY連銀のウィリアムズ総裁がインタビューで『経済が強く、景気後退は基本シナリオではない』と発言したことも買いを後押した。しかし、その後発表された、6月の消費者信頼感指数や地区連銀製造業指数が予想以上に悪化し、景気減速懸念に伴う売り圧力が強まり下落に転じた。引けにかけて、下げ幅を拡大し一時500ドル超下げた。VIX指数は26.95から28.36へ上昇した。
★NY外国為替市場:月末・期末に向けてのドル需要の高まりが意識
ドル/円は、米10年債利回りが一時3.25%台まで上昇したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行し、一時136.32円まで値を上げた。この日発表の6月米消費者信頼感指数や6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想よりも弱い内容だったことが分かると、136.05円付近まで売られる場面もあったが、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く下押しは限定的で、一時136.38円と日通し高値を更新している。ただ、22日に付けた1998年10月以来約24年ぶりの高値136.71円がレジスタンスとして意識されたため、積極的に上値を試す展開にはならなかった。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなった。
ユーロ/ドルは、欧州時間に強まったユーロ売り・ドル買いの流れがNY時間に入っても継続した。市場では『月末・期末に向けてのドル需要の高まりが意識される』との声が聞かれ、一時1.0504ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.61まで上昇した。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、ECB年次フォーラムで『7月にまず0.25%利上げする意向を再確認』『インフレ抑制に必要な場合には、より踏み込んだ行動を取る用意がある』など発言した。ECBが検討している債券買い入れプログラムについては『ユーロ圏の利回り格差の無秩序な拡大を抑制する』と表明した。
★NY原油先物市場は3日続伸:追加増産の拡大期待が後退で買い優勢
NY原油先物市場は109.62ドル-112.22ドルのレンジ相場となった。マクロン仏大統領が、アラブ首長国連邦(UAE)首脳の話として、同国とサウジアラビアに増産余地があまり無いことをバイデン米大統領に伝えたことが報じられた。追加増産の拡大期待が後退し、原油相場は買いが優勢となった。一時112.20ドル台に乗せる場面もあった。
★NY金先物市場は続落:米ドル高を意識した売り優勢
NY金先物市場は1819.10-1830.90ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで買い優勢となると、ドル建ての金は割高感から上値の重い展開になった。6月米消費者信頼感指数や同月リッチモンド連銀製造業景気指数が市場予想を下回ると、安全資産とされる金に買いが入るも反発力は強まらなかった。ロンドン市場の序盤にかけて1830.90ドルまで買われたが、米ドル高を受けて伸び悩み、ニューヨーク市場の後半にかけて1819.10ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引では主に1821ドル近辺で推移した。
★米国債券市場はまちまち:不調な米経済指標を受け長期ゾーンに買い
米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)3.13%で終了した。また、長期ゾーンは3日ぶりの反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.17%で終了した。欧州債相場が下落すると米国債にも売りが波及したものの、6月米消費者信頼感指数が予想を下回り、2021年2月以来の低水準を記録すると買い戻しが進んだ。米国株が下げに転じたことも安全資産とされる米国債の買いを促した。
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