FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FRB議長の景気後退は必然ではないとの発言で買い戻し

NYダウは194.23ドル高の30677.36ドル、ナスダックは179.11ポイント高の11232.19ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の高インフレへの対応を最優先する姿勢を好感した買いに寄り付き後は上昇した。6月製造業PMIの悪化を受けて一時下落に転じる局面もあったが、議長が景気後退は必然ではないと言及したため、安心感が広がり上昇に転じた。また、金利の低下を受けたハイテクの買いが相場を支え、主要株式指数は引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は28.95から29.05へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利動向に振れる神経質な展開

ドル/円は、東京市場では中尾武彦元財務官が『為替介入の可能性は排除できない』との見解を示したと伝わり、円買い・ドル売りが優勢となった。欧州市場ではもみ合いの展開となったが、NY市場に入ると前週分の米新規失業保険申請件数や6月米製造業・サービス部門・総合PMI速報値が予想より弱い内容となったことを受けて、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが活発化し、一時134.24円と日通し安値を付けた。そのあとは、米長期金利が低下幅を縮めたことでドル/円にも買い戻しが入り、134.99円付近まで下げ渋った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で『インフレ抑制に向け、無条件で取り組む』と表明したほか、ボウマンFRB理事が『7月会合で0.75%利上げを実施し、その後数回の会合で少なくとも0.50%利上げを実施することが適切となる可能性がある』と発言したことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、この日発表された米経済指標が軒並み低調な内容となったことで全般ドル売りが先行し、一時1.0554ドル付近まで値を戻す場面があった。ただ、欧州時間発表のユーロ圏PMI速報値もさえない内容だったことから、積極的にユーロを買う戻す動きは限られた。独政府が供給不足の懸念が高まっている天然ガスを巡り、『非常警報』を発令した。独経済が減速するリスクが高まったとの見方もユーロの上値を抑えた。なお、カジミール・スロバキア中銀総裁は『欧州中央銀行(ECB)は7月に0.25%、9月に0.50%利上げする可能性がある』などと述べた。 

 

NY原油先物市場は続落:需要減少の思惑広がり売り優勢

NY原油先物市場は102.32ドル-107.05ドルのレンジ相場となった。パウエルFRB議長が利上げを継続すると改めて表明し、引き締めによる景気後退や需要減速への警戒感が強く原油先物は続落した。為替市場でドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての原油に割高感が生じたことも上値を圧迫した。この日発表予定だった米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計はシステム障害の影響で発表が延期となった。アジア市場で102.32ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて一時107.05ドルまで反発したが、需要減少の思惑が再び広がったことから、売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引では主に104ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続落:換金目的の売りが優勢

NY金先物市場は1823.50-1848.90ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての金は割高感から売りに押された。また、パウエルFRB議長がこの日の議会証言でもインフレ抑制のために利上げを続けると強調し、引き締め加速への懸念が引き続き金の上値を圧迫した。ニューヨーク市場の序盤に1848.90ドルまで買われたが、換金目的の売りが入っており、米長期金利は低下したものの、1823.50ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では下げ渋ったものの、1830ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:金融引き締めが景気悪化を招く懸念から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)3.02%で取引を終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い3.09%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気悪化を招くとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

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